ロマン主義アニメ研究会

感想、考察、等。ときどき同人誌も作ります。ネタバレ注意。

最近の創くんについて(『あんスタ』紫之創)

最近の創くん(紫之創、『あんさんぶるスターズ!!Music』)について。とりとめのない感想。

目次

「以♡伝♡ゲーム」の創くん──「ぷいっ」

ゲームとはいえ、急に「ぷいっ」とかしちゃう創くんが本当にかわいかった。

特に私の場合、創くんに「ぷいっ」ってしてもらいたい願望が普段から人一倍強いので(冷たい表情の創くんはきっと美しいだろうといつも思っています。かわいさ、幼さが抑えられて、「美」の方に傾くと思う)、嬉しいゲームでした。

創くん、次『ぷいっ』てして、『ぷいっ』てして!」とか言いながら(一人で)盛り上がりました。

(↑ほら良い。「ぷいっ」て。長い髪の毛が綺麗に揺れる。ぷいっとする直前の物憂げな表情も良い。)

正直なところ最初は、面白いのかな?と半信半疑だったのですが、やってみたらとても楽しいゲームでした。

でも結局、創くんは「ぷいっ」に限らず、どの表情もすべてが完全に極上にかわいいということが改めてわかりました。「ウインク」とか、「にっこり」とかもね。2D創くんをまとめて鑑賞できる、意外と珍しい機会だったと思います。

「電話」の創くん

少し前から掛かってくるようになった、創くんからの「電話」。どれもとってもかわいいお話をしてくれて、嬉しいですよね。

というか、すでに「着信」がもう嬉しいんですよね。

こんな素敵な「通知」があるだろうか。「紫之創から着信があります」って。

で、通知を受けて出たら、もう本当にかわいいんです。

特に最初の電話だったか、そんなことをわざわざ報告しに電話してくれるの?っていうようなお話しをしてくれるのです。とてもとてもかわいい。

──そういえばライブ後のボイスで、「お客さんが僕に向かって、声をかけてくれたんです。嬉しかったなぁ♪」っていうのがあって、これが本当にかわいいんですが、その「電話」の内容もちょっとこれに雰囲気が似ていました。

このボイスを聴きながらいつも、(そりゃアイドルのライブなんだから、声くらいかけるだろうよ)というツッコミが浮かぶのですが*1、同時に、そんなことでしみじみ「嬉しかったなぁ♪」って言っている創くんが本当に純粋でかわいいなぁ、と思うのです(もう声くらいいくらでも掛けるよ〜そんな喜んでくれるならさ)。

「あんさんぶるトレーニング」の創くん

「トレーニングウェア」がとってもかわいかった。綺麗なお膝。

この「フィッティングルーム」でのポーズなども、あんまり運動が得意でない感じがどことなく出ている気がして、かわいい。

そういえば『!』「体育祭」で体操着の創くんも本当にかわいかったですが(網に引っ掛かっているイラストなど)、スポーティーな服装×創くんって、なんだか独特の魅力があって、多分、あんまり得意じゃないはずの運動をがんばってる!って思うと、愛おしくてかわいくて、応援したくなるのだと思います。

汗をかきながら運動をがんばる創くんを過剰に応援したり励ましたりしたいです。ちょっと何かできただけで異常なほど褒めてあげたい。汗も拭いてあげたい。

とはいえ、実は創くんの運動能力って、学院入学以降、徐々に向上していってるようなのです。もともと力持ちだという設定もある(気は優しくて力持ち。桃太郎。そう言えば桃太郎に少し髪型が似ていない気もしないでもない)。その辺りをいつかちゃんと確認したいですね。創くんの運動能力の変化について。及び、創くんの筋肉や肉体の状態(?)について。(ムキムキではないけど、相変わらず細いながらも、ちょっとしっかりしてきたかな?みたいなぐらいだったらいいな……などと勝手に妄想しています。)

ユニット新曲CDの創くん

発売時期も素晴らしいですよね。桜の咲く頃、リアル門出、リアル荒波GOの時期にリリースしてくれました。入社、入学、などの意味では私にはそういうイベントはなかったけれども、ちょっとあたらしい世界、アラナミに飛び込んでみるのもいいですよね。この曲を聴きながら、桜の咲く川沿いを散歩して、そういう気持ちになりました。

この素敵なジャケットも色々と使えそうです。飾ったり。写真を撮ったり。

2枚買ったので、1枚は持ち歩いても(心理的に)平気。

CDを聴く装置が、うちにはMacBlu-rayプレイヤーしかないな、と気づきました。

別にAppleロスレスMacに取り込んでしまえば同じなんですが、CDをカチャッとケースから取り出して、ゆっくり機械に吸い込まれていって、しばらく経つと演奏が始まるのとか。それを、ケースや歌詞カードを手に持ちながら味わって聴くのとか。そういうのはきっといいだろうなと思いました。

特に、こんなに可愛いケースならば一緒に味わいたい。発売時期も季節が重なったこともあって、リアルな物体としてのCDというものを意識するようになりました。

なので、少し良さめのCDプレイヤー(アンプに繋げる単体のもの)が欲しくなって簡単に調べたのですが、安いものでも6万円くらいと意外とする。なのでちょっと迷っています。

友也くんイベントの創くん

ちょっと前なのですが。創くん本人は登場しないのですが。「SHUFFLE×未知の聖夜とナイトヘッド!」イベントでの(言及された)創くん。

友也くんが、何回も創くんのことを話していたのが良かったな、と思ってました。登場しなくても創くんのことを考えてるんだなあ、と。いつも創がお茶を淹れてくれるんだ〜、とか(特にここ良かった)。

と同時に、あのイベントの友也くん、とんでもなくカッコよかったので、創くんも喜んでそうだなと想像しました(「秋」ごろにドラマや演劇の友也くんに喜んでいたように)。

日々樹渉クリパ(?)の際、創くんは、ソファで楽しそうに友也くんとおしゃべりしていたそうなので*2、その話もしてたのかな〜とか、想像しました。友也くん(明星先輩も、あと、いばにゃんも)カッコよかったです、とか。パーティでみんなが集まっていても、つい友也くんとばかりソファで話してしまう創くんがかわいいですよね。イメージが浮かぶ。

──あの友也くん、最初イラストを見ても、直ちには誰かわからなかったくらいカッコよかったものね。この眉毛の太さといい髪の色といい……さては友也くん!とすぐ推論しましたが。と同時に、MVや「オリジナルSPP」では「くまのぬいぐるみ」で可愛くすることも忘れてなかった。ライブで「くまのぬいぐるみ」を使うことを提案したのも友也くんでしたね。

8周年曲(「One with One」)の創くん

8周年の曲のMV。すごくアイドルアイドルしててよかったですね。

「うちわ」や、フロート(というのかな、アイドルが乗る派手な「山車」のようなもの)とか、『あんスタ』のライブMVではあんまりこれまでなかったような気もします。

『あんスタ』とは直接に関係のないことですが、個人的に私は、ちょうどこの曲がゲームで出たころ、『なにわ男子 Debut Tour 2022 1st Love』のブルーレイが発売されたばかりで、家でぐるぐるとつけっぱなしにして暮らしていた頃でしたので、なんだか重ねて見てしまいました。アイドルアイドルしたライブステージに、ハートマークのモチーフや、ピンクの入った衣装なども、なんとなく。

リアルの男性アイドル(女性アイドルもそうですが)にはそんなに興味が湧かないかなあ、とずっと思ってきたのですが。二次元、または、宝塚は好きですが、いずれもいわば〝この世に実在しないはずの美少年・美青年〟が見られる世界で、だからこそ好きなのでした。けれども「なにわ男子」、特に関西ジャニーズJr. だった頃からの大西流星くんは、〝この世に実在しない〟はずのレベルの美しさ、可愛さ(見た目のみならず、性格や雰囲気も含めて)だ!と思って着目していました(実はけっこう前に、二次元アイドルしか応援してこなかったというとある知人から教えてもらって、そこから私も好きになったんですよね。だからある種の親和性?はあるのかなと思います)。──と言っても、すでに他の趣味もあるので、ときどき動画やテレビを見たり、デビュー後はCDを買ったりという程度ですが。あとは雑誌もたまに。前に猫ちゃんの雑誌に大西くんが出ていたのですが、それが本当にかわいくて(猫も彼も)大事に持っています。

そういえば大西くん、子供の頃から新幹線が好きで(子供番組で、小さいころ新幹線を駅まで見に連れて行ってもらっていた話をしていた)、いつか新幹線のコラボ的なお仕事をしたいと言っていました。あの『あんスタ』の「お仕事」コラボみたいなイメージですね。(彼が雑誌か何かでおすすめしていた新幹線アイスのピスタチオ味、この前食べてみたらとても美味しかったです。私も新幹線が割と好きかも。混んでなければ。)

そんなわけで、別に両者は何も関係ないものなのですけれども、私が好きな二つの世界がなんとなく似ていて、どことなく重なって見えたのが個人的に嬉しかった、というだけのことでした。

「新幹線」コラボの創くん

「お仕事」。かわいかったですね。スーツ姿は「ハレノヒ」で見慣れていましたが。

コメントが創くんらしくていいし、動作も可愛い。

 

この「お仕事」は、まあかわいくて良かったんですが、リアル世界での「お仕事」=コラボの旅行プラン in 名古屋(イチオシTRIP)は、さてどうしましょうか。

こういうコラボカフェとか、どこどこで何かを展示してる、とか。そういうの全部行ったり見たりしようと思ったら、割と振り回されて疲れる上に、なんというか、そこまでの満足感はなかったりするんですよね。それだったらゲーム本編に課金してMVを眺めている方が満足感があったりする。同じ時間・お金をかけるにしても、確実にかわいいかわいい創くんをしっかり堪能できます。

最初はカフェシナモンすら、行かなくていいか、とか思ってました。今ではすっかりファンとなってしまいましたが。あちらは普通のコラボカフェとは違うというのと、しののんブレンドティーという、ほぼ唯一キャラクターの名前が入った商品が最推し創くんのものだということ、しかも、本編ストーリーと繋がっていたり(創くんが考案したブレンドということになっている)と、いくらなんでも創くんファンならば、少なくとも一度は行かないわけにはいかないというものだったと思います。

しかし今回のこの「旅行」はどうしようかな、と。名古屋の人ならパンフレットは簡単に買えますけど。そうでない人の場合、名古屋の観光地を巡ったり、ちょっとそこまでするべきかどうか微妙なところです。新幹線高速移動ボイスも、Ra*bitsはない訳ですし。このためだけに新幹線に乗って、名古屋に行くのか……?悩むところです。何かのついでだったらいいですけどね(何かついでをつくるか)。

創「ぼくなりに観光コースを考えてみました♪」

友也「観光コースの下見もしたんですよ…♪」

(『Music』「お仕事」より)

と言っているように、これに参加するメリットは、例えばその「ガイド」で、創くんがある観光スポットについて言及していたとして、実際に彼がその「下見」に行っているということなので、つまり私たちは、創くんが実際に行った(ということになっている)場所にリアルに行ける!ということになります。

三次元の人を推している場合、テレビ番組などで推しが座ったと思われる席に座るために、遠くのお店まで行く、という話は聞いたことがあります。それに近いことができる……かもしれない。

「タワー」は、名古屋に稀に行ったとしても自発的にはたぶん登ったりしないであろう場所。有名ではあるし、この機会に一回くらい行ってもいいかなと思える。

「商店街」も、普通に歩いたらそれなりに面白いだろうし、「神社」も、たまにはこういうところにお参りに行ったりするのは良いことでしょう。

あとは、「喫茶マウンテン」……。こちらの存在はずっと前から知ってはいるけど、それほど気が進まない、かも……。その「ガイド」で、創くんがこちらのスポットについて何らかコメントをしていたとして、そのコメント次第では、まあ行こうかな……という感じです。(量が多いから弟たちに分けてあげたいとか?そんなことを言いそう……?いや、それはちょっと『!』時代っぽいコメントかな……?などと考えている。)

スタンプを集めてもらえる「プレゼント」というものも、ううん……どういうものかわからないし、もらえないならもらえないでもいいような気がする。

とはいえ、二次元アイドルファンはあんまりこういう悩みが発生しないので、少し状況を楽しんでいる気分もあります。

けれども私自身の場合は、ですが、アイドルから癒されたり元気をもらいたいという気持ちが基本なので、あんまり振り回されたり大変な思いをするのはちょっと違うかな、と思うので、何でもかんでも無理に行こうとすることはないと思っています。私が楽しめるかどうか、楽しいと思えるかどうかという、要は自分の人生にプラスになるかどうか、という基準で考えるべきかなと。きっと優しい創くんなら、そうしてください、無理しないでください、と言ってくれると思うし。

そんなわけで、名古屋旅行はまだ検討中です。

*1:もちろん、この「ボイス」にあえて文脈を読み込めば、例の「講堂」ライブの記憶があるから、とも解釈できるでしょう。

*2:「ソファでトモヤクンと楽しそうに話してる『Ra*bits』の紫之創くん!」(泉)、「うひゃっ……!? 急に呼ばれたからびっくりしちゃいました」(創)。『!!』「スカウト!ホットウィンター」6。細かいことを言うと、時系列がちょっとはっきりしないのですが。友也くんの出たライブがいつなのかによるのです。とはいえ、友也くんのSHUFFLE企画のことは、以前から創くんも少しは知っていたんじゃないでしょうか。

鉄、アイドル、宝石──宝塚雪組『Lilacの夢路』感想

宝塚雪組『Lilacの夢路』。4月から5月にかけて咲くというライラックの季節にちょうど、大劇場で公演が行われます。お空も綺麗に晴れていて、まだ暑いというほどでもない心地よい気温。木漏れ日の花の道も美しくて、大劇場の中と外とが繋がっていくような、観終わった後もずっとドロイゼン兄弟たちの歌を(そして、『ジュエル・ド・パリ』の歌も)口ずさんでしまいそうな。そんなすっきり晴れやかな、夢や希望にあふれた明るく素敵な作品でした。

(『ジュエル・ド・パリ』もずっと見ていたいような、終わってほしくない、と思うような素敵なショーでした。主題歌もすごく良かったです。)

目次

「鉄の歌」(!)

冒頭からいきなり、もうドロイゼン家のアイドルたちに心をつかまれました。あの「鉄の歌」(仮)の場面です。

サビ?(鉄だけに……いやなんでもないです)の、

人の手から 機械へ

鉄が全てを支配する

というところはしっかり記憶しています。

そして続けて、鉄は曲げられる、伸ばせる、強くて丈夫、みたいな「鉄」という素材の素晴らしい特性について、歌い上げ(?)ます。──イケメンすぎる三兄弟が、銀橋で。素敵なダンスを踊りながら。

愛やロマンを歌うのではなく、「」というのがちょっとシュールにも思えるのですが(スカステ「NOW ON STAGE」でも、微妙にそういう感じのお話があったかと思います)、かえって私には、それがとてもカッコよく思えました。美麗すぎる3兄弟が、ものすごくカッコよく踊りながら、「鉄」という無機質なものへと情熱をぶつける姿。男役らしい、ひたむきな美しさが感じられました。(振り付けも印象的で、マネしてみたくなる。鉄や機械を表すような?動きだったと思います。メロディもずっと頭から離れない。)

さらにそのあと、「ドロイゼン・ファイヴ」(5人兄弟)による歌とダンスが続くという流れでした。

私はもう、この冒頭から始まる一連の、まるでアイドル・ステージのようなシーンにいきなり心をつかまれてしまい、大興奮してしまいました。ああ、いいなあ、綺麗でかっこいいなあ、雪組の皆さんが輝いてるなあ・・・と。

なので2回目に観に行ったときは、鉄の歌きた!ドロイゼン・ファイヴきた!と、ワクワクしながら楽しみました。

アイドル・ドロイゼン5

そう、今回感じたのは、本当に皆さんがアイドルのように輝いていた、ということです。特に私の大好きな、朝美絢さん、和希そらさんは、本当にアイドルのようでした。──もしかすると、アイドルというのを悪い意味で捉える人がいるかもしれませんが、私としては、最高にポジティブな意味で使っています。ステージの上で光り輝く存在、その人のことを思うといつも気分が高揚する存在。そのような意味なのです(私はもともと個人的に、二次元・三次元のアイドルが好きなので、ついそういう言い方になってしまいます)*1

彩風さん長男を中心としながら、朝美さん、和希さんがキラキラと輝いていて、両目で追いかけるのが大変なほどでした。(S席で2回観ることができたのですが、どうしてももう一回見たくて、わずかに残っていたB席を追加しました。少し離れて、全体を見渡すように観るのも良いだろうなと思います。)

朝美さんが美しくて素晴らしいというのは、もう言うまでもありません。お一人で歌う場面でも、とても綺麗な歌声を聴かせてくださって素晴らしかったです。

和希そらさんの軍人さんのお衣装もとってもお似合いでした。さすがのダンスもとても美しかったです(軍服でダンスをしているのも、アイドルっぽく思えた)。

縣さんが中心となって(和希さんも一緒に)製鉄所でダンスする場面もとってもカッコよかった。

こんなふうに、それぞれの場面ごとで、衣装や楽曲、テイストの異なるいろんな歌やダンスを次々と披露していただいて、とても贅沢で、まさにアイドルのステージのようでした(ミュージカルなので当然と言えば当然なのですが)。

そういえば、インテリ、軍人、ひたむきな職人、などというように、メンバー(兄弟)がさまざまな属性(?)をカバーしていて、その点でもまさに究極のアイドルユニットと言えますよね(?)。(朝美絢さんはインテリな役がとても似合うと思う。私は個人的に知性的なキャラクターが好きで、だから本当にありがたいです。*2

あとアイドルユニットはメンバーの関係性というのも重要ですが、兄弟という設定でその辺りも楽しめますよね。スピード重視で信念を持って突き進むリーダー(長男)。それに振り回されながら、やや複雑な心境の次男。そんな兄さんたちをフォローする、優しい三男。そんな彼らの関係を、良いなあと思って見ているアントン……(「信頼」の歌の場面など。「NOW ON STAGE」での縣さんのコメントがとてもピュアで素敵だった)。

理屈で考えても面白いが……

まあ実際には、あの「鉄の歌」(仮)は冒頭というより、その少し後なのですが。本当の冒頭のシーンは「夢」の場面でした。この「夢」にも、朝美さん、和希そらさんが出ていらっしゃいましたね(本当に、素早くお召替えをなさっているのですね……)。

うたた寝をしながら、そろそろ朝美さん・和希さんたち演じる兄弟たちが来る頃かな、という長男さんの頭の中のイメージと、その直前に読んでいたゲーテのニュースとが混ざって、そのような夢になったのでしょうか。

ちなみにこのゲーテの死というのは、ある意味で一つの時代の変わり目を表現しています。同じ雪組さんの『fff』では、ナポレオン、ゲーテ、そしてベートーヴェンが、時代精神のいわば深層における交流を果たしていましたが、今回のお話『Lilacの夢路』は、その少し後の時代のドイツ。『fff』のナポレオン(彩風さん演じる)とゲーテの対話の場面では、もっと速く情報や物が届けられたなら、ヨーロッパが一つに繋がったなら、といった話題が出ていましたが、それを担う欠かせない手段の一つは「鉄道」でしょう。ゲーテらが新しい時代の扉を開いたとすると、さらにその少し先、より未来へと進んでいく場面を描いています(「Zukunft製鉄所」というネーミングも未来ですよね)。

しかしながら、そういう時代背景*3や(『公演プログラム』の経済史の先生の記事もとても勉強になった)、宝塚歌劇のそもそもの始まりは「鉄道」にあることなど(『公演プログラム』。謝珠栄さん。小林一三生誕150周年。鉄の「レール」を伸ばして繋げる、過去から未来へというようなテーマも、そんな昔の時代から今に至るまで繋がってきた伝統、さらにその「レール」の繋がっていく先に、初舞台生さんが今回登場なさって……という感慨もある)、いろいろと理屈で考えてもとても面白く、楽しめるお話なのですが、しかしそういったことをあまり考えずとも、直感的に、感覚的に、とにかく素晴らしい雪組のスターさんたちをしっかりと楽しむことができ、まさにうっとりと「夢」に浸ることができた、というのが私の感想です。

考えさせられるお話/楽しめるお話

今回のお話は、あんまり難しく考えなくとも追いかけられる、割とまっすぐなお話だと思いました。もちろん「闇」の要素もあり、一筋縄ではいかないのですが、残酷さ、トラウマ、苦しみ、憎しみ、というような人間の心の苦悩などがそれほど描かれるわけではありません。

お話は情熱的に、テンポよく進みます。ハッピーな、希望にあふれたエンディングに向けて。なので、お話そのものにう〜んと唸らされたり、あまり考え込んだりすることなく、ただ純粋にステージを楽しむことができました。

実は私は、すでに退団された上田久美子さんの作品がとても好きで、スカイステージで放送があるたびに保存していって、「上田久美子さん作品集」ディスクを作っているほどです(あの100GB入るやつで)。なぜなら、上田さん作品のお話には、いつもとても深みがあるから。本当に考えさせられますし、引き込まれるお話が多いのです。例えば、『金色の砂漠』、『BADDY』、『fff』などは、そういった意味で私は特に好きです。

スカステの「演出家プリズム」という番組では、上田さんは、ただ眺めて楽しむだけでなく、鑑賞者自身の心の闇を暴くような、暗いものに直面させるような、そういうタイプの現代美術の作品について言及されていました。いわゆる「考えさせられるお話」というものも、たいてい、読者や鑑賞者はただの傍観者のままではいられないものです。よほど鈍感な人ではない限り、見ているうちに自分自身について否応なく考えさせられたりします。

その意味で言えば、今回のお話はそういう「ものすごく考えさせられる」といったタイプのものではありません。あまり自分自身の存在について自問自答などすることなく、むしろ普段の日常をすっぱり忘れて、舞台の美しさ、スターさんの輝きに、シンプルに没入して楽しむことができました。

これはどちらがいいというものではありません。たぶん、両方がなければダメなのです。純粋に楽しめるお話もいいけれども、それだけだと飽きてしまったりするかもしれません。新しく興味を持って観に来られる人を増やしたり、色々なタイプの観客を惹きつけるには、きっと色々なタイプのお話が必要なのです。私は宝塚を見るようになってまだそう長くはありませんが、スカイステージなどで過去作品を見ていると、本当に様々な種類のお話があることに驚きます。「宝塚はいつもこういう感じ」などとは決して一言ではいえないのです。かなり芸術性が高かったり、見る側にそれなりの教養を要するようなお話もあります。かと思えば、気楽に感覚的に楽しめる娯楽に重点を置いた作品もある。海外の傑作ミュージカルもあれば、漫画作品をベースにしたお話もある。

(ちなみに私がスカイステージに加入したのは、『fff』を見た時。このお話は何だ!と思って、もっと解説や説明が欲しくて、「NOW ON STAGE」を見るために加入したのです。だから、そういうフックになるような、何か心に引っ掛かるような作品は、やっぱり必要なのだと思います。)

何回も観たい

つまり今回は、お話や構成が比較的シンプルだったからこそ、雪組さんのスターの輝きがすっきりとくっきりと見えた気がした、ということです。それこそキラキラとした宝石のような、ジュエル・ド・宝塚ともいうべき、美しく輝かしいスターさんが贅沢に揃っていらっしゃる今の雪組さんの魅力を、わかりやすくはっきりと見せてくれたお話だったと思います。少なくとも私は、ああ、こういうのが見たかった!!と思いました。(『蒼穹の昴』のフィナーレで、和希そらさんが真っ赤なお衣装に身を包んで登場し、銀橋を歌いながら進んでいく場面を見て、ああこれはもう本当にアイドル・・・と、ぼうっと、恍惚と見ていました。) トップ娘役さん、夢白さんも、華やかな衣装で登場されて、とても綺麗でしたね。

なので、この『Lilacの夢路』、もう何回だって観たい。観ながら歌いたい、踊りたい。「鉄の歌」きた!とか言いたい。・・・というわけで、これはもうブルーレイを買っちゃおうかなと思っています。宝塚関連はスカイステージに毎月お金を払っている代わりに、円盤類は滅多には買わないと決めていたのですが。放送まで待てないし、プレーヤーに入れっぱなしにしておいてぐるぐるとずっと観ていたいと思ってしまう。『ジュエル・ド・パリ』も、もちろん何度も見返したい素晴らしいショーでしたし(しつこいですが、主題歌が本当に良いんですよ)。

*1:「アイドルとして君臨する朝美絢」、藤井大介さん、『公演プログラム』

*2:けれども、スカステで観た、ロミジュリ新人公演でマーキューシオを演じる朝美さんは、ぞくっとするほど良かった。美麗で端正な顔立ちなのに、やんちゃで悪そうで危ない、というのもとっても良い。

*3:ベルばらをはじめとして、このあたりの時代、18世紀末〜19世紀のヨーロッパを宝塚は描くことが多いですよね。旧時代的・貴族的なものと、近代的なものと、両方を混合して、いわばいいとこどりで描ける、というのもあるのかもしれません。近代的な価値観に基づくお話は我々に馴染みやすいですが、やはり貴族的な豪華な雰囲気も味わいたい、という条件を満たしてくれます。

ギフト:聖なる川(サンリオ)の流れる「世界」──『キティとミミィのあたらしいかさ』

 1981年に制作されたサンリオの人形アニメーション、『キティとミミィのあたしいかさ』。レトロな立体アニメの動きがとってもかわいい作品です。手作りの感じというか、少し動きがカクカクっとしているのも可愛い。小さなキティとミミィが、傘を持ってトコトコっと歩き回ったり…。キティたちを取り囲む、小さな小さな小道具たちも、ちまちまと丁寧に作られていて、いちいち可愛くて、本当に胸がときめきます。キティとミミィの2人の様子も、他のキティちゃんアニメや*1、現在見られるピューロランドなどでの2人の振る舞い方などと比べてもずいぶん幼くて、子供らしくて、とても可愛らしいです。例えば、雨でお出かけができなくて、2人しておうちの窓から外をのぞきながら、「つまーんない」「ね、つまーんない」「ね、つまーんない」と、ぐるぐる回るやり取りをしている様子なんか…もう、あまりにも可愛くて、大好きで、ついつい何度もマネをしてみたくなります(1人で…)。

 けれどもまた、同時にこの作品には、「世界中がみんな”なかよく”」(サンリオの段ボールに書かれた文字)が実現する…という、サンリオ的理念が詰め込まれいる、とも思いました。

 お母さんからのギフト(あたらしいかさ)、お母さんというギフト(世界からの贈り物)、そして、キティとミミィが、困っている「誰か」に贈る、おそらく初めてのギフト…。『キティとミミィのあたらしいかさ』で描かれるのは、こうした「ギフト」の連鎖です。それは「愛」が流れる、聖なる川(サン・リオ)としての「世界」。サンリオが掲げる「Small Gift, Big Smile」とは、「愛」に溢れる(=「可愛い」)グッズやカードを贈り合うことで、この川の流れが続いていく、ということなのではないかと思いますが、そんな理念がぎゅっとストーリーに詰め込まれています*2

 

 

世界からのギフト──運命

 キティとミミィは、お母さんから、新しい傘と長靴をもらいます。大喜びするふたり。すぐにお部屋の中で長靴を履き、傘をさして、はしゃいでいます。これは、お母さんからの「ギフト」です。

 こうしたお母さん「からの」ギフトは、お母さん「という」ギフトがあってのことです。キティとミミィは、幸せな家庭に育っています。可愛らしい2人の子供部屋にあふれんばかりのおもちゃが並べられていることが、それを物語っています。すでにたくさんのギフトをもらっている。

↑この子供部屋のシーンも大好きです。小さな家具やおもちゃが、ちまちまっ、とたくさん置いてあって、こんな部屋に住みたい![正確に言えば、「ロンドン郊外」のお家で子供時代を送りなおしたい!]と思ってしまう。)

 キティ&ミミィの子供部屋のなんと可愛らしいこと。小さな積み木、カーテン、壁紙の模様、イス…胸が締め付けられるような、小さくて可愛い世界です。

 こうしたことは単なる偶然であって、キティとミミィが、単なる野良猫とか、「鳩時計の中の鳩」なんかに生まれなかったのはどうしてなのか、答えはわかりません。まさに神のみぞ知ることです。それが運命(Gift)というもの。──「鳩時計の鳩」というのは、これよりももっと後のセル画アニメ「ハローキティーの止まった大時計」に登場するキャラクターです。それによると、鳩時計の「鳩」に生まれたからには、一生、時計から離れることができず、決まった時刻に鳴くことしか許されず、自由がない。絶望的に終わりの見えない繰り返しの毎日を生き続けなければならないそうなのです*3

 こうして、ある意味で不条理に、偶然的に、あるいは神秘的に、私たちは世界へと投げ込まれる(=gifted)。そしてそれが何であれ、私たちはさらにその先へと「生」を投げかけていかなければなりません。

──投げ込まれる世界がどのような世界かは、自分で選ぶことができない。「なぜ私達が住んでいる甲府に爆弾が落とされなければならないのか、多くの市民が家を焼かれ、焼け死んでいかなければならないのか、いくら戦争だと言っても、まだ学生だった私にはよく理解が出来ませんでした。いいえ、91歳になった今でも、どうして、あの時、甲府の善良な市民がそのような目にあわなければならなかったのか?どうして甲府だったのか?私には分からないままです*4

 『キティとミミィのあたらしいかさ』が描いているのは、このギフトの連鎖(gift←give)だと思います。ギフト存在論といってもいいかもしれません。

世界へのギフト──愛

 キティとミミィは、「あたらしいかさ」に浮かれながら、はしゃいで踊っています。これはとっても、本当に可愛らしい場面です。この場面を見るためだけに見る価値のあるほど、なんて可愛いんだろう、って思います。

(↑晴れているのに、2人して傘をさして、長靴をはいて、丘の上で踊っている。かわいい。人形アニメのちょっと手作り感ある動きが、またかわいい。)

 けれども、この可愛らしさを描くことだけがこの作品の目的ではない。というより、可愛らしい2人を追いかけているうちに、じんわり滲み出るように、サンリオの「ギフト」の思想が伝わってくるように作られている。

 驚くべきことに、この後2人はこれほどに喜んでいた傘を見ず知らずの鳥さんのために差し出してしまうのです。雨に濡れて困っている鳥さんたちのために。あんなに嬉しくて仕方のなかった「あたらしいかさ」を、1本差し出します。

 その傘がこの2人にとってどれだけ嬉しくて大事なものだったのか、それまでのシーンではっきり描かれているからこそ、この鳥さんへ差し出すという行為が2人にとってどれほど大きなものだったのかがわかります。

 例えば、傘がころげていってしまったら(わーんと大泣きした後)一生懸命に探しに行きます。

 雨が降ってきたら、傘が濡れちゃう!と言いあって急いで傘をたたみ、2人で傘を抱えながら走って、木陰で雨宿りします。日が照っているときには傘をさして、2人は踊っていたのに…そんなに大事なんだって思えて、とても可愛らしかったです*5

 こんなふうに、2人にとってこの「あたらしいかさ」は、嬉しくて嬉しくて、大事で大事で仕方のないものなのです。しかしそれを、通りすがりに出会った鳥さんに差し出してしまう。これがいかに大きなことなのか見ているとわかるのです。雨にすらも濡らしたくないほどの傘をあげてしまうのだから。これがもしかすると2人が初めて他人に贈る「ギフト」かもしれません。

 しかも重要なのは、この鳥さんとはおそらく初対面だったということです。鳥さんとは以前から面識があって、何かお世話になったことがあったからそのお返しに傘を差し出したとか、あるいは世間体とかご近所づきあいもあるので差し出した・・・みたいなわけでは全く「ない」のです。ただ目の前で困っている「誰か」のために、今できる範囲のことをしてあげたい、といったような、自然な気持ち。それは、見返りを求めてすることではない、本当の「愛」です。

世界からのギフト・リプライズ──だれかとだれか

 ところがその後、2人が贈った親切な「ギフト」は、ある意味で(ここが大事)報われます。作品の終盤で、キティとミミィは、綺麗なサンリオの包装紙に包まれたプレゼントを受け取ることになるのです。…と言っても、あの鳥さんがスタスタとやってきて、先ほどはお世話になりました、ぺこり、などといってプレゼントを持ってくるわけではありません。

 では誰からプレゼントを受け取ったのかと言えば、一見とても変な話なのですが、物語の終盤で、”誰だかわからないある人”から、キティとミミィはプレゼントをもらうのです。直接的にはおばあちゃんからもらうのですが、おばあちゃんは、見ず知らずの人からプレゼントをもらったと言います。(ちょっと冷静になると、なんだその話は…という感じもしますが、ここでつまらない揚げ足を取っても仕方ないのです。サンリオが描く「ロンドン郊外」では、見ず知らずの人が急にくれたプレゼントでも、危険物である可能性などは全くない、それでいいのです。)

 結局、キティとミミィは一体誰からのギフトをもらったのか、はっきりしないままお話は終わります。そしてそれゆえ、この突然の(謎の)プレゼントはきょうキティとミミィが鳥さんに「あたらしいかさ」を贈った(ギフト)ことと関係がないような、偶然のことのような、でも、まったく無関係というわけでもないような…そんな曖昧な描写のままに終わっています。

 多分ここが大事なのだと思います。困っている「誰か」のための「愛」は、巡り巡って、また「誰か」からの愛となって返ってくる、かもしれない(し、返ってこないかもしれない、でもそれでもいい…)・・・ということ。「世界中がみんな’なかよく’」にあるように、「世界」が結びつくということは、こうした直接の見返りを求めない、「他の誰か」一般へ向けられた「博愛」のようなものが必要なのです。というのも「世界」とは、少数のよく知っている人たちと、大多数のよく知らない「他の誰か」から成り立っているものなのだから。こうした「他の誰か」への見返りのない本当の「愛」、世界への愛こそが、「世界中がみんな’なかよく’」には必要でしょう*6

 つまり、キティとミミィが物語の終盤で受け取ったのは「世界」からのギフトなのです。世界を愛する者は、また、世界からも愛される(かもしれない)。冒頭に言及した「お母さんというギフト」に象徴されるような、「根源的なギフト」が、キティとミミィにとって自覚的なものとなったその自覚の表現が、包装紙に包まれた姿のあのギフトなのかもしれません。

 そういえば、ちょうどこれは「誕生日」プレゼントであるという言及がなされています。すなわちキティとミミィは、ここで改めて再度、世界に「生まれた」とも言える。キティとミミィ、あるいはお母さん、おばあちゃん、といった閉じられた関係ではなく、「誰か」から「誰か」へと続く「愛」が連鎖する繋がりに、キティとミミィは参与することになった。この「誰か」と「誰か」の<間>、関係こそが「世界」なのだと思います。ここで初めて、キティとミミィの2人の眼前に「世界」というものが開かれたのです。2人は「世界」へと投げ込まれること=運命としての根源的なギフトを、サンリオの包装紙に包まれた形で改めて受け取った。──ちなみに偶然でしょうけれど、この作品の主題歌は「だれかとだれか キティとミミィ」というタイトルです。

世界は続いていく──「世界中がみんな”なかよく”」

 そしてこのお話はおそらく、まだまだ続くのであって、キティとミミィはまたこれからも、「誰か」にギフトを贈ることになるでしょう。キティとミミィの活躍はずっと続いていて、今もそうなのです。

 ちなみにこの人形アニメーションより後の、1990年代に制作されたハローキティーのセル画のアニメーションは、キティたちが世界に贈り物をし続けるお話としても読み取ることができると思います。そこではシリーズを通して、キティたちが偶然的に(ほとんど初対面の人たちも含む)出会った様々な人たちを助けようと奮闘したりします。あるいは、キティがミミィを助けようと奮闘するようなお話もあります。つまり、この『あたらしいかさ』の続きを描いているとも解釈できるのです。

(付録)「鳥さん」の解釈

 ちなみに、「鳥さん」について、このお話のストーリーそのものに即して解釈すると、「天使」のような存在であると考えられます。

 (1)あの白い鳥さんは、何か特別な魔法のような力を使って、キティとミミィを水たまりの中の不思議な世界に招待し、雲で楽しく遊んでもらった上で、傘を返し、プレゼントを贈っています。(2)そして、水たまりの中の不思議の世界から、プレゼントを忘れて、傘だけを持って帰ってきたキティとミミィに、また、鳥さんが別の姿をとって(「人」と呼ばれている…この世界での「人」とは何を指すのかよくわからないが、「鳥」ではないのだろう)、おばあちゃんにプレゼントを渡しにきたようです。(3)さらにその「人」は、「なんでも知っている」、初対面なのに「明日がキティとミミィの誕生日だということも知っている」とも言われていました。

 つまり、あの「鳥さん」は、(1)特別な魔法のような力を使うことができ、かつ、(2)姿を変幻自在に変えることができ、さらに、(3)全知である、ということが言えます。こうなると、鳥さんは、神様とか、天使とか、世界そのものの化身であるとか、何かそういった存在ではないかと考えられます。そもそも、キティとミミィが遭遇した「鳥さん」は、仮の姿であって、本来は「鳥さん」ではないのかもしれません。人間の前に現れるときに仮の姿をとって現れるものといえば、これは「天使」であると言えるかもしれません。

 「キャラクターは、世界の子どもたちに幸せを運ぶ天使です」、「人は決して、ひとりでは生きられない。今日も、明日も、いつも私たちはあなたのことを思っています」*7──という、サンリオの理念を反映している存在かもしれません。

*1:ちなみに、この『あたらしいかさ』が、キティちゃんたちの初めての映像作品だそうです(DVDの「作品解説」より)。初めて動いて喋ったキティたちの姿が、この作品というわけです。

*2:そうそう、サンリオの商品って、本当に、リーズナブル、って思う。コアなファン向けのお値段の張るアイテムもありますが、一方で、小学生のお小遣いで手に入る、通常の日用品くらいのお値段のものもたくさんある(キャラクター代が上乗せされている感が少ない…多くが自社製品だからでしょうか)。本当に「Small Gift」が用意されているなあと思う。「もらっても(もらった側が)負担にならない(感じない)くらいの…」っていうのが、一つの基準としてあるみたいです。

*3:…って、ねえ、ほんと、毎回思うんだけど、どうしてセル画のキティちゃんアニメのシリーズって、突如こういう重い話を持ってくるの…?? この「鳩の運命」の話とか…私はそういうところが結構好きなんだけど…

*4:辻信太郎、「株主のみなさまへ」、『サンリオIRレター 株主のみなさまへ 第59期営業のご報告』。そして、ここから世界への新たな「ギフト」として、彼は「サンリオ」を創設した、ということになるのでしょうか。

*5:ちなみに、キティとミミィが歌う『だれかとだれか キティとミミィ』という歌では、「かさを かかえて はしっているね 」という歌詞があります。この曲を最初に聞いたとき、なんで傘をさすんじゃなくて「抱えて」いるんだろう?って、ちょっと疑問に思いました。けれどもこの歌は、『キティとミミィのあたらしいかさ』の主題歌でもあったのですね。作品を見てようやくわかりました。おそらく歌詞はこの場面のことを歌っているのだと思います。

*6:おそらくサンリオとは全く関係ありませんが、私の好きな歌の歌詞に、こうあります。「喜びを他の誰かと分かりあう! それだけがこの世の中[=世界]を熱くする!」(小沢健二「痛快ウキウキ通り」)。別に「プラダの靴」じゃなくてもよくて、”サンリオのギフト”でもいいし、「かさ」1本でもいい。それは単に大切な「ギフト」の象徴です。そう言えば、この歌でも、歌の主人公風の人物は、最後、1人で寒い街をスタスタと歩いているような描写があります。喜びを分かち合ったからといって、その分かち合った相手から直接何かが返ってくるとは限らないし、それを期待しなくていい、むしろ期待すべきでない。「喜び」としての「プラダの靴」をプレゼントするということ、そのこと自体のなかに「喜び」がある。これが「痛快」と呼ばれているものかもしれません。「痛快」っていう言葉には、すっきり、というようなニュアンスがありますが、ギフトを相手に贈るというという行為には、自分の持っているものを手放してしまうということでもあって、そこには「放下」の清々しさがあります。

*7:1970年代、サンリオの「会社案内」の文言だそうです。『’70s&’80sサンリオのデザイン』グラフィック社、2019、7頁。

【創くん考察本】『読解「紫之創の物語」について:あんスタ「フィーチャースカウト創編」をめぐって』@通販中

皆さま、ごきげんよう

当サークル新刊のお知らせです。あんスタ・紫之創くん考察本。

 

以下、頒布情報です。通販あり。

【新刊】

『読解「紫之創の物語」について:あんスタ「フィーチャースカウト創編」をめぐって』

(B5判76頁、500円)ロマン主義アニメ研究会

 

創くん考察本です。『あんスタ!&!!』のストーリーを広く読み解きながら、アイドル・紫之創の過去・現在・未来を考えます。特に、彼の最近の「悩み」とその解決について「フィーチャースカウト創編」を軸に考察。また、専用衣装の意匠や創くんの紅茶についても考えます。

「専用衣装」はあれでよかったの? / 「美少女」活動の「悩み」とその解決 〜「いまのぼく」 / 創くん過去ストーリーの読解 〜「以前のぼく」 / 「アイドル・紫之創」の未来予想 / 「BADBOYS」から「ブラックバニー」へ / 紫之創が「宇宙一かわいい」理由 / 二つの創くん 〜水たまりで遊ぶ男の子、ひとりぼっちで泣いている男の子 / 専用衣装「オーダー・メイド」の意味とデザインについて / 広告塔になる「ファッションブランド」とは? 〜服飾史から / 「しののんブレンドティー」考察 〜創くんのお茶について / 友也・光 〜「ちがう道」でも「おんなじ気持ち」 / なずなとの比較 〜お人形と美少女 / いばにゃんの「戦略」 〜地上におりた天使 / 先輩・仲間 〜嵐・凛月・薫・スバル・桃李

 

【pixivサンプル】

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17607638

 

【通販の情報】

フロマージュ🍈

https://www.melonbooks.co.jp/fromagee/detail/detail.php?product_id=1459342

BOOTH🐫

https://miusow.booth.pm/items/3812502

 

【イベント頒布】
2022/8/21 SUPER brilliant days 2022夏 (SUPER COMIC CITY関西 28)@3号館H42a インテックス大阪 →ありがとうございました!

2022/5/4 SUPER brilliant days 2022 (SUPER COMIC CITY 29) →ありがとうございました!

 

どうぞよろしくお願いします。 

 



 

 

★新刊のご紹介

創くん考察本です。

これまでの『あんスタ!&!!』の関連するストーリーを広く読み解きながら、アイドル・紫之創の、過去、現在、未来について、考えてみます。

特に、

・創くんが近頃、ずっと悩んできたことは何だったのか?

・そんな悩みの根っこにあるものは?

・創くんって、そもそもどんな子だったっけ?

・そして、将来の創くんはどうなっていくのかな?

・悩みはうまく乗り越えられそうかな?

といったようなことについて、今まで創くんがたくさん、ストーリーの中でお話ししてくれたことなどを振り返りながら、考えてみます。

そしてそのとき、カギになると思うのが、「フィーチャースカウト創編」です。

「いまを歌う」。これが、フィーチャーのストーリーのタイトルです。

「いま」とは、これまでの創くん(過去)がたどり着いた場所であり、また、これからの創くん(未来)がそこから出発する場所でもある。創くんの、過去と未来の「あいだ」にあるものなのです。

ですから、過去から未来へとつながる「紫之創の物語」を理解するためには、その中心に据えると、とても良いガイドになってくれるのではないかと思うのです。

(──というより、実際には順番が逆で、私は、「フィーチャースカウト創編」(ストーリー、衣装デザイン、等)が発表されたのをきっかけとして、わーっと止めどなく、創くんが今までお話ししてきたことが頭に流れてきてしまい、気がついたら、それらを整理しながら、過去から未来に繋がる彼の「物語」のことを考えていたのでした。そして、その考えたことというのは、もはや知人に話したり、ちょっとブログに書くというにはあまりに長すぎる内容になってしまいましたので、「本」にしようと思った次第なのです……。)

 

また加えて、今回の「本」には、関連する内容として、

・創くんの専用衣装「オーダー・メイド」のデザインやテーマについて。また、創くんがモデルを務める「ファッションブランド」について。服飾史の観点も借りながら考える。

・創くんが「宇宙一かわいい」理由について。「美少女先輩」との違いについて。

・あの美味しい「しののんブレンドティー」について。特に、作品本編のストーリーとの関連性を考える。また、創くんがこれまで淹れてきた数々のお茶(茶葉)について。

といった考察(のような文章)も、合わせて収録しております。

おそらく今後、すぐに別の本を作るということもなさそうですので(本を作るのは楽しいですが、とても疲れてしまいますよね……)、関連する内容でもありますし、このたび「本」に収録してしまいました。こちらのお話にご関心をお持ちの方も、ぜひ、よろしければどうぞ。

以下、新刊の「目次」「はじめに」からの抜粋を掲載いたします。よろしくお願いいたします。

 

★新刊の目次より

 

★新刊「はじめに」抜粋

 

★その他

☆当サークルでは久しぶりの本で、『あんスタ』ジャンルでは初です(また、最初で最後かもしれません。本を作るのはやっぱり疲れるので……)。もともと当サークルは過去に、全く別のジャンルにて(うさぎ繋がりではありますが)、考察・評論(または随想)の本を数冊出しており、とてもありがたいことに、それなりにお楽しみいただけているようです。その後、少し私の関心も変わってしまったこともあり、また他の趣味への興味も強まったため、サークル活動そのものをしばらく行なっておりませんでしたが、今回、『あんスタ』、特に創くんに関して、どーーーしても書かずにはいられない気持ちになり、久しぶりに「本」を作ることにいたしました。

好きなもの(作品、キャラクター等)に対する愛情が、私の場合いつも、作品本編の文脈や細部を(自分なりにでも)整理して、理解して、把握したい!という方向に発揮されてしまいます。もしかすると、同じような方もいらっしゃるかもしれません。(本当はもっと自由に空想を広げて、二次創作などができれば楽しいだろうなと思うのですが、とても難しそうでなかなかできそうにありません。)

☆この本は、『あんスタ』作品全体というよりも、「紫之創」くんのことを主に考察しています。とはいえ、創くんがアイドルとして成長していくプロセスには、周りの人たちとの交流が欠かせません。友也くんをはじめとするRa*bitsメンバーは特に重要ですし、さらに先輩たち・仲間たちとの交流も絶対に欠かせない要素です。そのため、創くん以外のキャラクターへの言及も、もちろんあります。

☆他の人による考察などを読むのが苦手という方もいらっしゃるかもしれません。私としては、なるべくお読みになる方が苦手に感じるような内容は書いていないつもりです。特定の性癖などに強く寄った記述などはないと思いますし、そもそも性的な描写はありません。基本的には、作品の本編のストーリーをよく読んだ上で、解釈を施していこうとするものです。けれども、最終的に何をどう感じるかは、お読みになる方次第のところもあり、保証することはできません。

 

 

創くんは「天使」なんかじゃない/である──「紫之創の物語」について(『あんスタ』)

 創くんは、天使であり、かつ、ない。

 本当の創くんは、語りえない、だが、示しうる。

 ──奏でよう、無数の「創くん」たちのアンサンブルを。

「ブラックバニー」イベントに関連してどうしても考えておかねばならないのが、私の大好きな紫之創くんの「天使なんかじゃない」問題です。みなさんご存知の通り、創くんの最近の悩みは、アイドルとしての固定的なイメージ(「天使」のような)を押し付けられそうで、「もやもや」しちゃう、というようなものです。・・・創くんがそんなふうに悩んでいるのは、私もつらいです…。

この「ブラックバニー」企画へのチャレンジは、そんな創くんにとって、少しでもプラスの意味があるのではないか? と思います。「お菓子の家」スカウトなども手がかりにしながら、少し考えてみましょう。

「紫之創の物語」が、「めでたし、めでたし」に辿り着きますように!

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(↑「こんなにきれいな虹が見られるなんて、雨に感謝しなくちゃです……♪」 *1  ・・・って言っていたけど、創くんの「悩み」も、こんなふうになったらいいなって思う。) 

【もくじ】

あんさんぶるスターズ!!Music』の「Ra*bits」イベント「Wander!ブラックバニー in UNDERLAND」(2021/5)について、その3、です。(↓その2、はこちら。)  

「紫之創の物語」

「スカウト!お菓子の家」ストーリーでは、

「これからも精いっぱい、ぼくなりに紡いでいきますね/『めでたし、めでたし』で終われるような、紫之創の物語を……♪」(エピローグ)

と語っていました。

時系列的に見ても、今回の「ブラックバニー」は、まさにその「紫之創の物語」の一部になるわけですが、これは創くんが「めでたし、めでたし」へと向かううえで、どのように位置づけられるのでしょうか。またそもそも、創くんにとっての「めでたし、めでたし」って、どのようなものなのでしょう? (天使イメージを払拭して悪魔になっちゃうこと?…ではなさそうですよね?)

ちょっと問題を整理してみましょう。

創くんの近頃の悩みは、

・アイドルとしての特定の「イメージ」を押し付けられて、固定化されそうなこと

・「本当の」創くんの姿をうまく伝えられていないこと

の不安だと思います *2 。

「最近はわりと、そういうイメージを押し付けられがちで……しんどいですけどね」 *3

「それがぼくの本来の姿かっていうと、ちょっと違うんです」「ぼくは自分自身の姿を見せられてないんです──今は、まだ」 *4 

これはすでに『!』の頃から少しずつ出てきていることではありましたが(例えば「良い子」という概念をめぐって)、『!!』に入って、プロのアイドルとしての活動が増えていく中で、クローズアップされてきています。

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創くんが悩んでいること──「美少女」問題の根本にあるもの

特に、「美少女」的な売り出し方が創くんは最近なされていて、このことに関連して、こうした「不安」が語られることが多いのですが──私のみるところ、問題の本質は、「美少女」として売り出していることそのものにはないと思います。

このことは、私もわかっていたつもりでやっぱり少し誤解していた気がしますし、誤解されがちなのではないかと思いますが、創くんは丁寧に、何度もそのことについて説明をしています。

例えば、仕事の一環としてそういう「美少女」的なことをして、しかも喜ばれるのは嬉しいことだ、というように語っています *5 。

つまり、創くんは「美少女」として仕事をすることそのものを嫌悪しているのではなく、そのような仕事「ばかり」をすることで、そのような特定のイメージが固定化されることが嫌だ、と思っているのです。またそれによって、「本来の姿」が伝わらなくなって、押し込められてしまうのが嫌だ、と言っているのです。これは微妙なようで、大事な違いだと思います。

例えば、創くんはこの問題について、自分は「フィクション」の存在のように振る舞えないんだ、というようにも語っていました *6 。だから創くんはかつてのなずなと同じ道を辿りつつあるとも言えるかもしれません。つまり創くんもまた、「フィクション」のような、作られたもの=「お人形」のような存在に仕立て上げられつつあって、そのことに不安を感じているのです *7 。

また、なずなはかつて脅されたり強制されてValkyrieの活動をしていたわけではもちろんなくって、なずなにとってValkyrieは確かに大事な居場所でもあった。お師さんに喜んで貰えることは、なずなにとって嬉しいことでもあった。この点も、今の創くんと似ている状況だと思います。

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(↑「夢に見た幸せな景色のなかに辿り着けない気がして、ぼくは怖いんです」 *8  「紫之創の物語」の結末は「幸せな景色」であってほしいです。)

天使なんかじゃない、小悪魔──「ブラックバニー」

つまり、かつてのなずなにおける「お人形」にあたるものが、いまの創くんにおける「美少女」や「天使」なのだと思います。「お人形」であるのをやめたくてなずなはValkyrieを飛び出した。創くんもまた、「天使」であることをやめたい・・・。

「ぼくだってべつに、頭の天辺から爪先まで清らかな天使なんかじゃありませんから」 *9

こうしたことを踏まえるならば、今回の「ブラックバニー」のような企画は、そんな創くんのイメージの固定化に対して、ちょっとばかりそのイメージを撹乱するというか、揺さぶりをかけるような効果があったのではないかと思います。

だって、要するに今回の創くん、”小悪魔”でしたよね? (──ああ、あの素敵な創くんを、なんかこんなありがちな言葉で表現するのがもったいないんだけど・・・だからここまでこの言葉を使わなかったんだけど・・・でも気付きますよね、「小悪魔」なんて言っちゃうと陳腐で安っぽく、創くんの複雑な魅力を組み尽くしていない気がする・・・と、いうことは、また同時に、反対の意味の「天使」っていう言い方も、やっぱりありがちな表現で、だからやっぱり陳腐なイメージの固定化なのでしょう…。)

創くんは、「美少女」「天使」もできるし、ちょっとダークな小悪魔ちゃんもできるし・・・っていうように。

そうして、これからもいろんな角度から見た創くんの像を次々と示していって、そのなかで、ちょうど分散した光の束が再び重なり合う”焦点”のような場所に、しだいに「本当の」創くん、真実の創くんの姿、というようなものが、ゆっくりと浮かび上がっていく・・・というようなことになってくれればいいな、と私は願っています。それが「紫之創の物語」の「めでたし、めでたし」なのかな、って。

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”ほんとうの”創くんはどこ? ──語りえぬものと示されるもの

そもそも、創くんの言う「本来の姿」「自分自身の姿」って、なんなんでしょう? それが「何」であるかは、直接に具体的には、語られていません。というのも、それはおそらく、”語りえない”ものだから。本当の「ぼく」、本当の創くん・・・それは、「これです!」というように、特定の形容詞ではっきりと表現できるようなものではないのです。もしそんなふうにイージーに表現できてしまったように見えたならば(SNSのプロフィールみたいに)、それはすでに、本当の私、本当の創くんではない・・・それもまた特定の「イメージ」像に過ぎないのです。

ではそれ(創くん自体)は、どうやって”示せ”ばいいのでしょうか。

「いい子なところも、悪い子なところもひっくるめて、ぼくはぼくなんです」 *10

それは、さまざまな創くん、さまざまな「ぼく」を、次々と示していくこと──そう、次々と、良い子な創くん、悪い子な創くん、天使の創くん、(小)悪魔の創くん、・・・・っていうように、そうやって一つのイメージが固定化しないように、絶えず揺さぶり続けること・・・これは具体的に言い換えるならば、たくさんいろんなことに次々とチャレンジして、いろんなアイドル活動に挑戦し続けていく、っていうことしかないと思うのです。「お菓子の家」でも、ファンに対して、丁寧にちょっとずつ、本当の自分を伝えていければいいな、っていう結論だったと思います。

もちろん、いろんなアイドル活動にチャレンジできるかどうか・・・これはたやすいことではありません。アイドルはお仕事で、そういうお仕事を頼んでくれる人がいないと、活動できないわけですから・・・。

けれども今回の「ブラックバニー」は、やっぱり光くんや、他のRa*bitsのメンバーという、創くんとは少し毛色の違う仲間がいたからこそ、できたことだと思います *11 。そんなふうに、ユニットのメンバーにはいろんな違いがあって、「でこぼこ」しているからこそ、いろんなことに挑戦できて、まったく新しいアンサンブルを奏でることができる──それこそが、『あんスタ!!』における「ユニット」の意味なのだと思います *12 。

(…っていう、「天使」よね……)

でもね・・・。創くんには少し申し訳ないとは思うけど・・・そういう「天使なんかじゃない!」ってわざわざ自分から言ったり、悩んだり、そしてどうやったら本当の自分が伝わるんだろう、って真剣に考えて、努力しようとしたり・・・っていう──だから本当に創くんには申し訳ないんだけど(?)・・・こういうお姿そのものが、もうすでに、すっごく純粋で、すっごく素敵で美しくて、つまり・・・すっごく「天使」だなあって、思っちゃいますよね・・・。

でもこんなこと言うと、そんなことないです!とか、ああやっぱり本当のぼくは伝わらないんだ!(また「天使」イメージに押し込められちゃうんだ!)とか・・・そんなふうにまた悩んじゃうと可哀想だから、創くん本人には(仮に言う機会があっても)、絶対に言わないようにしないとね・・・。

でもなんか、ここに手がかりがあると思うの。

創くんが「天使」問題をどうやって乗り越えていくのか、っていうことの・・・。固定的なイメージとしての「天使」じゃない、よりワンランク上の「天使」・・・つまり、本当の意味での「天使」という高みを、創くんは目指せるんじゃないか? というか、すでにもうそうなんじゃないか? って・・・。ともかく、これからも優しく見守りたいです。

無数の「創くん」たちのアンサンブル

だって、私たちは知っているもの・・・。

お兄ちゃんな創くんも、弟くんで甘えん坊な創くんも、

しっかりしている創くんも、どこか抜けている創くんも、

運動音痴な創くんも、意外と腕力がある創くんも、

繊細で優しい創くんも、ちょっとだけ雑で乱暴な創くんも(特に友也くんに対して)

引っ込み思案で人見知りな創くんも、案外だれとでもすぐ楽しくお話しできちゃう創くんも、

怖がりな創くんも、ホラー映画を意外と見れちゃう創くんも、・・・

・・・私たちは知っていて、そのぜんぶが創くんで、しかもそのぜんぶが──そう、そのぜんぶが「天使」だっていうこともまた、知っているの・・・。

おしつけられた「天使」イメージじゃなくて、創くんの「本当の姿」がゆっくりと時間をかけて”示された”とき、ああ、この子はやっぱり本当に天使だったのね・・・って、みんなが気がつく──そうなったときが、創くんが本当にアイドルで、本当に天使になる瞬間で、だからそれが、「紫之創の物語」の「めでたし、めでたし」なのかな、って思います。勝手ながら。

(そしてそのときはもう創くんは、「美少女」の姿をとる必要もない。そもそも「天使」に性別などなく、美少女でも美少年ですらもない。いわばそれは、美そのもの、なのだから。)

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(↑「みんながみんな、幸せになってくれれば嬉しいです♪」 *13 この『!』の「アイドルストーリー」って、嫌な雨が降ったあとに現れた虹に感動したり、それを見てみんなも幸せになってくれたらいいなって願ったり・・・「紫之創の物語」=「アイドルストーリー」の「結末」(「幸せな景色」)を予言するもののような気がしています…そうなって欲しい。)

 

(ねえ、なんか急激に深みのある話になってきたね、自分でも驚いた──あんスタの深さよ・・・。最初に書いたイベントの記事がすっごいアホみたいに思えてきたよ。)

(「ブラックバニー」イベントの最初の記事はこちら。)

miusow.hateblo.jp

 

 

 

*1:『!』アイドルストーリー「紫之創 雨空と傘」。

*2:細かくいろいろなところでこの創くんの不安は示されていますが、今のところ、とりわけ「お菓子の家」のストーリーがわかりやすいと思います。

*3:「バラエティとタッグ ボギータイム!」。

*4:「スカウト!お菓子の家」。

*5:「スカウト!お菓子の家」など。

*6:「バラエティとタッグ ボギータイム!」。

*7:明星先輩は、「美少女」なお仕事をするしののんのことを、「人形」みたいでかわいかったよ!って、褒めていましたが…。「スカウト!お菓子の家」。

*8:『!!』「アイドルストーリー 紫之創 第二話」。

*9:「バラエティとタッグ ボギータイム!」。

*10:「スカウト!お菓子の家」。

*11:例えば、創くんは、もともと光くんみたいなタイプとは仲良しになれてなかったかもしれないけど、同じユニットで知り合えてよかった、というようなことを話していましたよね。「キャロル*白雪と聖夜のスターライトフェスティバル」。

*12:例えば、桃李くんの次の言葉。「ボクたちは歪ででこぼこ。まるでジグソーパズルのピースみたい/でもだからこそぴったり嵌って、景色を広げられるんだよね」──「SHUFFLE×白雪たちのMerryXmas」。またいうまでもなく、特に『!』で描かれたように、個性的なメンバーが結束したときに思いがけない力を発揮する「Trickstar」は、この「ユニット」概念の一つのモデル、理念型のようなものだと言えるでしょう。

*13:『!』アイドルストーリー「紫之創 雨空と傘」。

Ra*bitsにおける「かっこいい」/「かわいい」問題の系譜────「BADBOYS」から「ブラックバニー」へ(『あんスタ』)

あんさんぶるスターズ!!Music』の「Ra*bits」イベント「Wander!ブラックバニー in UNDERLAND」(2021/5)について。その2、です。

(その1は、こちら。) 

miusow.hateblo.jp

 

Ra*bitsの「楽曲」だけ並べてみると、今回のダークな雰囲気の「FALLIN’ LOVE=IT’S WONDERLAND」は、ずいぶん唐突な路線変更のように見えるかもしれません。「Joyful x Box*」とか「Love Ra*bits Party!!」とか、直近の「Love it Love it」などと比べると、かなり違った雰囲気の曲です(Ra*bitsプレイリストを作って聴いてると、イントロだけで明らかにちがう!と感じる)

しかも、そのことの説明がストーリーでは薄いようにも見えるし、どういうこと?って・・・。イベントストーリーでは、表面的には、単なるライブの仕様書の見間違いという偶然的な理由によるものです。企画書を読み間違っていたね〜、あらら〜〜、でもやってみよっか〜、みたいな・・・。

けれども、これまでのストーリーを踏まえるならば、これはそれほど大きな路線変更とか、珍しいことをした、というわけではないと思います。むしろ、ちょうど1年前くらいから積み上げてきたことの一つの成果が現れている、と言えるでしょう。もともとRa*bitsは「かわいい」を追求しながらも、同時に「お人形」になることを拒否し、「成長」する姿を見せようとするユニットだったと思うからです。・・・もちろん、「かわいい」けど「お人形」にはならない、というのは、なかなか難しい挑戦であるとも言えるわけですが。そのようなお話を少々。 

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【もくじ】

  • Ra*bitsの「かっこいい」歴史 〜「BADBOYS」から「ブラックバニー」へ
  • 「かっこいい」/「かわいい」の両立 〜「かわいい」概念の深まり
    • ──「ハロウィン」イベント
    • ──「ハイタッチ」イベント
    • ──光くんの活躍
  • 「成長」×「かわいい」というテーマ
  • お人形はかわいい、かわいいはお人形? ──なずなのジレンマ
  • 「かわいい」は「成長」する
  • 創くんのジレンマ。再び。「美少女」という「お人形」。

 

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おいで・キス・指先──Ra*bitsイベント「Wander!ブラックバニー in UNDERLAND」の紫之創について(『あんスタ!!』)

あんさんぶるスターズ!!Music』の「Ra*bits」イベント「Wander!ブラックバニー in UNDERLAND」(2021/5)。イベント楽曲、MV、お衣装、振り付け・・・と〜ってもかわいかったのは、もう言うまでもないことなのですが(創くんは、何がどうなってもかわいいに決まってるのですが)、ちょっと同時に、少し動揺してしまったというか……従来のような、いわゆる「清純派」とは違う方向でしたので、びっくりしながら喜ぶ、という感じになりました。

けれども、イベントストーリーや過去からの文脈を踏まえれば、ここには動揺するようなことは何もないし、むしろRa*bits・創くんのこれまでの歩みそのもので、またこれからの素敵な未来にもつながっているはずだとも思えてきました(ライブは「大成功」だったそうですしね)。そこには、しっかりとした「Ra*bitsの物語」、「紫之創の物語」があって、これからも楽しみだね、って思えたのです。そういうお話しを少々。<→後半は長くなったので、別の記事にしました。>

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(↑毎日ありがとう。)

 

【もくじ】

 

ライブMVの動揺──創くんが「Kiss」って

もう、この創くん見てよ……。

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(↑「おいで…Fallin’ love」、「さあステキな Sweety-Show Time 始める Kiss!」・・・?)*1

今までの創くんは、あくまでも、ハートマークをつくったり、うさ耳ぴょんぴょんのポーズをしたりして、元気に可愛く歌って踊ってくれる存在だったのです。

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(そうだったよね? ↑「Joyful x Box*」SPP)

確かにこれまでも、創くんの公式のイラスト、カードのイラストでも、なかなか色っぽい雰囲気が出ていたとは思います。悩ましい思いで鑑賞することも少なくありませんでした。例えば。

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けれども今回のライブの振り付け、特に「SPP(通常)」ですよね……。

創くんからはっきりと「Kiss」という言葉が出てきて(というか、歌詞の一部ですが)、指を口に当ててキスの動作をして……しかも、「Kiss」から「始める」って……(いえ、これも歌詞なのですが)。ええ〜、一体なにを……?

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(↑「Sweety-Show Time 始める Kiss …」)

そういうわけで、今まで私が頭の中で勝手に妄想していながら、ブンブンと頭を振って、そんなわけないッ!って思っていたような、色気のある創くん、というものが、もうはっきりと示されてしまって……。「今までぼくのこと、ずっとそういう目で見てきたんでしょう……?(お・ぢ・さ・ん?)全部知ってましたよ……♪」(クスクス…)って、嘲笑されているような、とても恥ずかしい気持ちになりました……(ぎゃああ〜、ごめんなさい〜!まー、嘲笑もされてみたいけど……)。

 

創くんオリジナルSPPについて──やっぱり清純派だった

でも、またさらに言えば、今回のMVのこわいところは、その時の気分で結構違って見える気もするところです。例えば、次の日に起きて、紅茶でも飲みつつ、朝の爽やかな雰囲気の中でMVを見直してみると、あれ? そんな心が折れるようなものでもなかったかな? とも思えたりする。投げキッスくらいよくあるじゃん。普通にアイドルっぽい、ありがちな振り付けじゃん、え?何を言ってるの? ……って、修復不可能なほどに、創くんにドン引きされるかもしれません、こんなこと言ってると。

だってね、創くんオリジナルSPPを見たら……そこにいたのは。

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(↑「おいで・・・」から・・・)

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(↑こっちにくる?──少し目を細めて…至高の表情ですね…。「創くんが目を細めた顔」マニアの私としてはたまりません)

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(↑ぼくとあそぼうよ!)

そう、そこにいたのは、私が昔から知っている通りの、天使の創くんだったのです……。

清らかで、あどけなくて、優しい、本当に子うさぎのような創くんがそこにいたのでした。「どうしたの? 森に迷い込んでしまったの? 大丈夫? こっちに来る?」

って、こっちの様子を伺っている、うさぎさんでした。

飼っている子うさぎさんが、魔法で1日だけ人間の男の子になって、みんなに会いに来たよ(内緒だよ)、みたいな童話のようなお話しが頭に浮かびました。

私の変な気持ちは、これで全て浄化されました……。

 

創くんの振り付けについて──創くんの指、爪……

今回の振り付けは、まず創くんに絞って言えば、「」が最高に最高でした。

時計の針を表すような振り付けが多くて、指をよく使うんですが、創くんの「指使い」が目立つ場面が2箇所あって、これと、

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(↑「ちょっと覗き込んじゃった・・・」のところ。)

これ。

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(↑「鼓動が Ticktack・・・」のところ。特にここの指使いがいけない。)

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(↑あと、「ひ〜と〜みに、Fallin’」のところも小指を立てている。アップで写して、お指!)

ふう・・・えっち・・・。

イベント衣装はグローブをつけてしまうので、この「指」の美しさが際立つのは、それ以外のお衣装でライブした時のような気がいたします。創くんのあまりの指の美しさに、クラクラとしてしまいます。

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(↑イベント衣装だとこう…これもまたよし)

だいたい、創くんは、指がとっても綺麗な子なんですよ。きっと。ああいう美麗な少年には、ぜひ、綺麗な指、おててをお持ちでいて欲しいですよね。

細くて長い、きれいなお指。そして指先まで・・・そう、爪の形も綺麗であって欲しいですね。自爪の形が、楕円形というか、細長い形であってほしい(潰れたような、横長な形じゃなくて…)。人差し指の爪の形も大事に決まっていますが、私としては、”親指”の爪の形が、非常に重要だと思います。

もう創くんは、絶対そういう形のお爪をお持ちでいて欲しい…いいえ、お持ちであるに違いありません。伸ばしたりネイルとかしてないのに、ツヤツヤで、伸ばしてるように見えるような、シュッとした細長い爪の形でいて欲しい。

こういうの見てよ。絶対そういう爪の形だよ。間違いないよ。

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(↑関節は外側に反るタイプ)

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(↑手首の美しさ)

 

 

みんなの振り付けについて──ウサギのようでオオカミ?

──前脚ぴょんぴょん

あとは、ユニット全体の振り付けで言えば、やっぱりなんと言っても、前足あげてぴょんぴょんのポーズですよね。サビのところも、それ以外も、けっこうずっとこのポーズをしていて、一番印象に残る振り付けじゃないでしょうか。

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今まで「うさぎ」を表現するのは、「うさ耳」のポーズ──両手でお耳を作ってぴょんぴょんってするのが、ほとんどでした(あとはちょっとウサギの尻尾のふさふさを表現するような動きもあったくらい)。こういう前足をあげる振り付けもなかったわけではないのですが、こんなにずっとはしていません。

もうこれは、まず間違いなく、言うまでもないことですが、か・わ・い・い・!・!・!

これは本当に、言うまでもないことですがね。何回かわいいかわいい言ったかわかりません。

でも同時に、「うさ耳」ポーズをいわば「封印」しているのは何故なのかな、と少し気になりました。今まで定番中の定番で、おそらくどのRa*bitsの曲の振り付けにも「うさ耳」ポーズが入っていたと思いますが、今回は、この定番中の定番、誰がどう見てもウサギですね、というようなあの振り付けが、見当たらないのです。

それに代わって出てきたのが、この前足をぴょこぴょこさせるポーズ。

これはまずシンプルに考えて、今回のお衣装にはすでに「お耳」がついてるから、手でまでもお耳を作るとかぶるから、っていうだけのことなのかもしれません。…うん、そうかもね。

でも、ここであえて深読みをするならば、私の印象では、あの動きは、そうと言われなければ、必ずしも「ウサギ」と特定できないポーズだと思います(「うさ耳」のついていない他のお衣装でライブすると、余計にそう感じます)。イヌっぽい気もするし、イヌ科の何かの動物にも思える・・・そう、オオカミにも見えます。多分そういうことなのではないでしょうか? ウサギの皮を被ったオオカミ・・・あるいは、ウサギだと思ったらオオカミ・・・みたいな・・・。(今回お衣装についている「うさ耳」は、あくまで「つけ耳」ですしね・・・。)

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(↑ イヌっぽいし、イヌ科のあれっぽい…)

「僕のこと 追いかけてよ」

っていう歌詞がありましたが、今回、うさぎさんたちは逃げているようで、アリスを導いて、誘っているし、そうやって追いかけていった先で、やっとうさぎさんを捕まえたと思ったら、逆に捕まえられてしまう=恋に落ちてしまう・・・というようなことだと思うのです。「時計なんか見なくていいから、僕を見て・・・早く早く・・・」って歌っているのも、そんな感じがします。

 

──わちゃたいな〜♪ (なずな&友也)

なずなと友也くんとの掛け合い部分がとんでもなくかわいかった!

What's the time, now?

I don’t know.

の部分ですね。2人のセリフを入れ替えて、この同じやりとりが2回あるのですが(Game ver.)、

私は、特に2回目のなずなの「What's the time, now?」が、本当にかわいく聴こえて。

「わちゃたいな〜〜♪」って、なずならしいちょっと舌足らず(?に聞こえる気がする)な発音で、首をぴょこっと傾げる動作が、かわいいかわいい♡

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(↑なずなのわちゃたいな♡)

に〜ちゃんは、おれは計算して、こういうかわいい動作をしてるんだぞ〜、って言いそうだけど(かわいい)*2 、たぶん実際にはに〜ちゃん普段からこういう「ぴょこっ」としたかわいい動作をしてそうで(かわいい)*3 、しかもそのこともみんな知ってて…、っていうのがありそうで、かわいいですよね(とてもかわいい)。

 

──恋に落ちていく表情 (光)

曲の最後の悩ましげな表情もね。光くんパート。「恋に落ちていくんだ〜」ってところ。

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(↑創くんを光ポジションに置き換えてみた。ふう…なやましい…)

こんな表情なかったよ。今までのRa*bitsの曲で。もう。

光くんは、近ごろドラマで「かっこいい」役を演じたりして、彼に「恋をした女の子もたくさんいる」らしいと言われています*4 。「デートプラン」を考えるというシャッフルユニット企画に光くんが参加している*5 のも、こうした活躍と関係があるでしょう。

つまりRa*bitsメンバーの中では、「恋」といったものに一番近いのは光くんで(例えば創くんは「恋とか……ぼくにはまだ難しいんですけど*6 と言っていた・・・言っていたのによお〜〜…… )、だからここで「恋に落ちていくんだ〜」を歌うのは、光くんが一番ふさわしいですし(ドラマでファンになった人も喜びそうじゃない?)、またそんな光くんがダッシュで引っ張ったからこそ、そもそも今回、Ra*bitsはこの企画にチャレンジしてみることもできたのでしょう(イベントストーリー)。

今回は光くんが「センター」の位置にいますしね!

あとは、「イベントストーリー」で逃げる光くんをみんなで捕まえる!(と同時に、「本当の光くん」を探す…それは光くん自身も自分を再発見するっていうことだと思いますが)っていうのが、文字通り「僕のこと 追いかけてよ」で、今回はやっぱり光くんがセンターで主人公だともいえますね。

 

──ちょこちょことした動き

最初の歌い出しの直前のところで、ちょこちょこっと素早く動く振り付けも、と〜っても可愛いですよね! 本当にうさぎさんがお顔を洗ったりする動作みたい。

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(↑創くんカードの才能開花イラストもここの振り付けですよね。)

でもその可愛い動作の端端から、何か色っぽい雰囲気が出ているようにも感じます。

 

イベント衣装、合いそうな曲

──和ゴス&うさ耳軍人ふう 〜紅月「百花繚乱、紅月夜」

今回のお衣装は、まずは、Valkylieとか、UNDEADの曲が合うだろうと思ったのですが、それのみならず、案外「紅月」の曲も合うかも、と思いました。

「ブラック」がテーマの衣装だけど、裏地とか細かいところに「赤」が使われていたりして紅月っぽいですし、ダイヤチェック柄が使われているのも、市松模様っぽくて、「和ゴシック」的な雰囲気にも解釈できるような気がして、和風な世界観にもけっこう合うんじゃないかなと思ったのです。

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(↑うさ耳だけど、敵には冷酷で、容赦しない──みたいな。)

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(↑謎のかっこよさ・・・どこかの架空の軍隊。)

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(↑うっ、まぶしい・・・。この子を主人公にした漫画が読みたいね…。)

うん、かっこいい。創くん。

創くんには、ぜひこのお衣装で「刀」を差してもらいたかったので、神崎先輩のポジションに配置。そういえば、創くんのおかっぱ風な髪型も、和風に解釈できますね。

あと、このブラックバニー衣装は軍服っぽさもあるので、刀を持つと、架空の和風レトロな時代の軍人?みたいにも見える(和風スチームパンクのような)。

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他のお2人のポジションは、なんとなく見た目などの雰囲気から、なずなと光。衣装ピースがなずなの分しかないので、2人とも七夕衣装で合わせました。

 

──独特なV系ホストふう 〜UNDEAD「Valentine Eve's Nightmare」

UNDEAD曲。合いますね。

なんか、創くんを薫くんポジションに置くのがいつも好き。

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(↑ううっ、やばい、かっこいいっ……!!

うん、なずなくんは見た目で言えば、かなりこういう趣向にハマりますね…

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──怪しげなサーカスふう 〜Valkyrie「今宵月の館にて」

あとは、やっぱりという感じで、Valkyrie曲。*7

このブラックなうさ耳衣装は、怪しげなサーカス団、っていう感じです…。「特等席をあげよう ようこそ一夜の退屈凌ぎに…」

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サーカス団員の少年たちは、生きているようで、実はもう死んでいて・・・肉体だけが、何者かによって操られている──みたいな・・・あ、自分で言ってて怖くなってきた、やめよう・・・。

 

──Ra*bits曲:別の解釈をうむ感

Ra*bits曲ももちろん合いますが・・・

どうしても、ちょっと「えっち」なので、この衣装・・・。

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(↑「ドキドキエスコートさせて…」)

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(↑「カラダ中ハッピーに…」)

 

過去の創くん衣装だと何が合うか?──美脚

反対に、これまでの創くんライブ衣装だと、どれが今回のイベント楽曲「FALLIN’ LOVE=IT’S WONDERLAND」のライブに合いそうでしょうか。

──ユニット衣装

色々試したのですが、やっぱり(イベント衣装以外だと)、ユニット衣装が一番、魅力的に見えるかな、と思いました。

『!!』の新ユニット衣装の長ズボンは、かなりピッタリとしたもののようです。創くんのおみ足の綺麗な形を、はっきりと拝むことができます。

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創くん、脚が細くて、本当に綺麗。改めてうっとりできます。

だから今回の新たな発見というか、収穫は、創くんは半ズボンが一番に決まってる!と思い込んできたけど、ああ、こっちかも、長い方かもって、気づいたことですかね。

──弾むアニバーサリーロック衣装

ですので、同じ理由で、「6周年」のお衣装もなかなかお似合いだと思います。ちょうど同時期に手に入るものでしたし。

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──グレーテル衣装

そして、次にいいなと思ったのが、「グレーテル」のお衣装です。

童話風の世界観ですので、童話の題材は異なりますが、やっぱり合っていると思いました。

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(↑「読みかけの本には・・・」創くんが童話の読み聞かせの練習をしているストーリーがありましたね。)

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そして、通常パフォーマンスのとき、スカートっぽい形のズボンがひらひらして綺麗です。

──(ちなみに)なずな「専用衣装」〜メルヘンかわいい

ちなみに、なずなの「専用衣装」もお似合いだと思います。MVの背景セットと、メルヘンな雰囲気が、とってもよく馴染んでいますよね。

メルヘンかわいい2人(↓)。ピューロランドのパレードみたい。背景も「知恵の木」っぽい。

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イベントストーリーについて──覚えてる?始まりの日…

イベントストーリーは、私のような下賤な人間のいろいろなものを浄化してくれそうな、清らかな内容でした。

──Ra*bitsの物語:あの日の「講堂」から

過去から現在まで、Ra*bitsのたどってきた道を振り返るような内容でした。それは、以前のRa*bitsイベント「再開*成長見せてハイタッチ」でも少しそういう要素があったのですが。『Love it Love it』の歌詞の内容が、まさにそんな感じでした。

過去を振り返る・・・というより、過去を改めて現在の視点から受け止める、受け止め直す・・・といった感じでしょうか。そのために、光くんの記憶喪失という事件がうまく作用していました。「本当の」光くんを探す、というのは、つまり「今の[現在の]光くん」を見てあげるということでしたよね。「現在」から「過去」を受け止め直して、「未来」へ進むという構図になっていました。

ここで真っ先に浮かんだのは、次の言葉です。

「覚えてる? はじまりの日 キミはどんな気持ちでいたの?」(「Love it Love it」*8 )

今回は、イベント楽曲よりもむしろ、この「Love it Love it」の歌詞とのリンクが、どうしても感じられてしまいます。

光くんが勝手にユニット衣装を注文してしまったこと・・・そしてそれを初めてお披露目した日のこと・・・「覚えてる?」。

あの曲の歌詞で「はじまりの日」が何なのか、しかもここでの「キミ」が誰を指すのか、これは色々に解釈ができて、またそのように作られていると思うのですが、一つには、今回のストーリーのように、『!』以来の、過去から未来へと続いていく「Ra*bitsの物語」を重ねて解釈できるのではないかと思いました。*9

今回のイベントストーリーでは、『!』の、例の「S2」事件も、振り返っていましたよね。あのライブ会場になった「講堂」で、創くんと光くんとでお話ししているシーンは、今回のストーリーでもいちばん印象的な場面でした。

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あのあと「メインストーリー」的には明星先輩たちのハートに火をつけて、革命へ・・・という大きな流れへとつながるので、そちらの「全体の物語」の印象が強いのですが、あの出来事が、Ra*bitsのみんなにとってはどんな意味があったのか?(=「Ra*bitsの物語」)、特に、光くんにとってはどんな意味があったのか? ということが、今回改めてはっきりと語られていました。「キミはどんな気持ちでいたの?」。

(全体の「大きな物語」と、「Ra*bitsの物語」──Ra*bitsは、「メインストーリー」などでもそれほど出番があるわけではないのですが、その結果、「大きな物語」に回収されない、独自の「オアシス」のような場所を作っていると思います。──いつのなんだったか、「Ra*bitsはオアシス」的なことは誰か(キャラ)が以前にも言っていたと思う。誰だっけ・・・。私だっけ。)

確かにこれまでも、例の「S2」事件について、Ra*bitsのみんなが振り返って、語る…というほどはっきりとではないにせよ、触れる、ほのめかす、というような場面は、細かく見られます。さまざまなイベントやスカウトのストーリーなどもそうですが、一番わかりやすいのは「メインストーリー」の「S1」の時でしょう*10 。そこでは創くんが、

「ぼくも『S2』で負けて……敗北の悔しさを、涙の苦さを知って」 

と話していました。

ちなみにこのとき光くんは、

「ワクワクするぜ〜☆ 創ちゃん、ポップコーン食べる?」 

などと話しています。「いえ、結構です。なぜかぼくまで緊張しちゃって、何も喉を通る気がしません」(創くん)・・・創くんとは対照的に、光くんはポップコーンを食べてはしゃいでいて、例の事件をそんなに深刻に捉えていないように見えてしまうかもしれません。

もちろん、その後ポップコーンを食べながらも、「オレたち『Ra*bits』も、 こんな大観衆の前でパフォーマンスしたかったぜ…… ♪」*11 と言っているところには、悔しさが滲んでいることがわかるのですが、今回の、「ブラックバニー」のストーリーでは、そんな光くんの気持ちが、改めてはっきりと語られていました。

そんな状況なら、オレ悔しくてすごくがんばりそうな気がするもん!(イベントストーリー「「Mitsuru to Escape/第四話」)

しかも、「そんな状況」の悔しさが、おそらく光くんがアイドルを、本気で頑張ろうと思った理由だった、ということが語られています(あくまでもまだ記憶喪失が完全に治っていない状態の光くんの話ではありますが)。創くんを前にして、あの講堂で光くんがそんなことを語っているというのが、なんとも感慨深いです。

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創くんが言っていたように、光くんのこと、よく考えたらそんなに知らなかったかも、っていうのは、私もハッとさせられたところです。そんなに色々と長々喋るタイプではなさそうですし(すぐどこかいっちゃうし)。

元々、光くんが最初にアイドルになろうと思ったきっかけは、陸上競技のときに応援に来ていたアイドルの人が・・・というエピソードなのですが(今回も語られたし、過去にも語られたことはある *12 )、その後、本気でアイドルをがんばろう!と思ったのは、やっぱりあの事件がきっかけだったというわけです。

過去を振り返るといえば、光くん、昔は目を離すとすぐダッシュしてどこかへ行ってしまような子でした(小学校の時そういう子いた気がする)。最近は少しおとなしいというか、落ち着いてきたなと思っていましたので、そういう意味でも光くんらしい可愛さが改めてみられてよかったです。

それに、元気に飛び跳ねる光くんに対する、残りの3人の反応がまた可愛くて可愛くて。驚いたり、振り回されたり、でもあんまり怒ったりしないで、探しに行こう、っていうあたりとか・・・もう、なんてみんな優しくて良い子なの・・・。

 

──創くんの制服、私服

そういえば、『!!』になると、夢ノ咲学院もあんまり登場しなくなって、特に、創くんたちの学院制服姿は、なんだか久しぶりに見たような気がして、今回は男子高校生らしいお姿をありがたく拝ませていただきました・・・。(「スカウト!スプリングベッド」でも制服姿は見られましたね。)

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(↑光くんに声をかけている。「お〜い」のボイス。・・・このボイス好き。すごく素朴な声なんです。)

すでに出てきている、なずなの大学生ファッション?的なのも良いものでしたけどね。

ちなみに創くんの私服って、今回も思ったけど、ちょっと控えめなんですよね。

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でもあえて少し地味めの私服というのが、むしろ良いとも言える。地味な男子が着たら普通に地味になるかもしれませんが、創くんみたいにあからさまに顔のいい子が着ると、かえってその美しさが際立って、輝いて見えるのです。創くん本人はずっと自分のこと地味だと思って生きてきたみたいですけど、それも服装に反映されているのかもしれません。

ねえこんどさ、創くんの私服を選ぼう〜、考えよう〜、みたいなお話ししてくれないかな。いろんな人の私服を借りて着てみたり。

最近思ってるのは、光くんの私服みたいな、少しダボっとした、スポーティーな感じのを創くんが着たら、やたらとかわいいのでは、ということ。そんな創くんが、クッションとかを抱えたりして、お家でゆるっと過ごしてるふうのアイドル生写真とか発売してくれ。

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(↑こういう感じのを創くんが着たらやたらと可愛いと思う。)

 

──スマホでびっくりするしののんが相変わらず可愛い

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創くんが毎回、スマホでびっくりするのが相変わらず可愛いです(マイメロちゃんみたい*13 )。

そういえば最近では、寮のお部屋で「すごろく」で遊んでいるそうでしたし(「再開*成長見せてハイタッチ」)、あんまりそういうスマホとかにどっぷり浸かるタイプではないのです。

 

Ra*bitsにおける「かっこいい」/「かわいい」問題の系譜

Ra*bitsの「楽曲」だけ並べてみると、今回のダークな雰囲気の「FALLIN’ LOVE=IT’S WONDERLAND」は、ずいぶん唐突な路線変更のように見えるかもしれません。「Joyful x Box*」とか「Love Ra*bits Party!!」とか、直近の「Love it Love it」などと比べると、かなり違った雰囲気の曲です。

しかも、そのことの説明がストーリーでは薄いようにも見えるし、どういうこと?って。

けれども、過去からの文脈を踏まえるならば、これはそれほど大きな路線変更ではないと思います。むしろ、ちょうど1年前くらいから積み上げてきたことの一つの成果が現れている、と言えるでしょう。・・・

└→長くなったので、別の記事にします。

miusow.hateblo.jp

 

 

創くんは「天使」なんかじゃない/である──「紫之創の物語」

あと、「ブラックバニー」イベントに関連してどうしても考えておかねばならないのが、私の大好きな紫之創くんの「天使なんかじゃない」問題です。みなさんご存知の通り、創くんの最近の悩みは、アイドルとしての固定的なイメージ(「天使」のような)を押し付けられそうで、「もやもや」しちゃう、というようなものです。

創くんがそんなふうに悩んでいるのは、私もつらいです。この「ブラックバニー」企画へのチャレンジが、創くんにとって何か少しでもプラスにならないか、少し考えてみました。

創くんの歩み(「紫之創の物語」)にとって、どのような意味を持つのかを考えたいと思います。「お菓子の家」スカウトも手がかりにしながら。

└→長くなったので、別の記事にします。

miusow.hateblo.jp

 

 

 

*1:Ra*bits「FALLIN’ LOVE=IT’S WONDERLAND」(作詞:松井洋平、作曲/編曲:INN)

*2:「スカウト!ベストショット」など。

*3:「スカウト!BADBOYS」第1話、顔を洗う仕草など。

*4:「再開*成長見せてハイタッチ」イベント。

*5:「SHUFFLE×恋の√はAtoZ」イベント。

*6:「バラエティとタッグ ボギータイム!」イベント。

*7:「今宵月の館にて」、作詞:こだまさおり、作曲:鳥海剛史

*8:作詞:こだまさおり、作曲/編曲:古川貴浩

*9:「Love it Love it」は、なずな復帰ライブのイベント楽曲ですし、なずなが「覚えてる?・・・」のパートを歌っていることを考えると、「はじまりの日」とは、まず第一には、なずなが2年生のときの「秋」のドリフェスのときのことではないでしょうか。創くんと友也くんが学院にもぐり込み、偶然、なずなと初めて出会った日。あの日は、なずなの運命も、また、創くんと友也くんの運命(というか将来の進路)も、ゴトリと音を立てて動いた日だったと思います。その運命は、Ra*bits結成までつながります。けれども、「キミ」をプロデューサー(転校生、あんず)とも解釈もできるし、ファンの人のこととしても捉えられるかもしれないし・・・。そして、光のこととしても捉えられると思います。

*10:『!』メインストーリー第64話「観戦」以降。

*11:『!』メインストーリー第67話

*12:『!』「エール*広がるハッピースプリング!」、『!!』専用衣装スカウトのストーリー「未来のスーパースター☆/第二話」、など。

*13:おねがいマイメロディ』で、マイメロがケータイが鳴るたびにびっくりしてぶるぶるしていたのを思い出します。うさぎさんで、紅茶好きで、のんびりしてて、かわいいので、二人ともよく似てるから、きっとマイメロちゃんと創くんは仲良しになれると思う。