ロマン主義アニメ研究会

感想、考察、等。ときどき同人誌も作ります。ネタバレ注意。

おいで・キス・指先──Ra*bitsイベント「Wander!ブラックバニー in UNDERLAND」の紫之創について(『あんスタ!!』)

あんさんぶるスターズ!!Music』の「Ra*bits」イベント「Wander!ブラックバニー in UNDERLAND」(2021/5)。イベント楽曲、MV、お衣装、振り付け・・・と〜ってもかわいかったのは、もう言うまでもないことなのですが(創くんは、何がどうなってもかわいいに決まってるのですが)、ちょっと同時に、少し動揺してしまったというか……従来のような、いわゆる「清純派」とは違う方向でしたので、びっくりしながら喜ぶ、という感じになりました。

けれども、イベントストーリーや過去からの文脈を踏まえれば、ここには動揺するようなことは何もないし、むしろRa*bits・創くんのこれまでの歩みそのもので、またこれからの素敵な未来にもつながっているはずだとも思えてきました(ライブは「大成功」だったそうですしね)。そこには、しっかりとした「Ra*bitsの物語」、「紫之創の物語」があって、これからも楽しみだね、って思えたのです。そういうお話しを少々。<→後半は長くなったので、別の記事にしました。>

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(↑毎日ありがとう。)

 

【もくじ】

 

ライブMVの動揺──創くんが「Kiss」って

もう、この創くん見てよ……。

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(↑「おいで…Fallin’ love」、「さあステキな Sweety-Show Time 始める Kiss!」・・・?)*1

今までの創くんは、あくまでも、ハートマークをつくったり、うさ耳ぴょんぴょんのポーズをしたりして、元気に可愛く歌って踊ってくれる存在だったのです。

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(そうだったよね? ↑「Joyful x Box*」SPP)

確かにこれまでも、創くんの公式のイラスト、カードのイラストでも、なかなか色っぽい雰囲気が出ていたとは思います。悩ましい思いで鑑賞することも少なくありませんでした。例えば。

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けれども今回のライブの振り付け、特に「SPP(通常)」ですよね……。

創くんからはっきりと「Kiss」という言葉が出てきて(というか、歌詞の一部ですが)、指を口に当ててキスの動作をして……しかも、「Kiss」から「始める」って……(いえ、これも歌詞なのですが)。ええ〜、一体なにを……?

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(↑「Sweety-Show Time 始める Kiss …」)

そういうわけで、今まで私が頭の中で勝手に妄想していながら、ブンブンと頭を振って、そんなわけないッ!って思っていたような、色気のある創くん、というものが、もうはっきりと示されてしまって……。「今までぼくのこと、ずっとそういう目で見てきたんでしょう……?(お・ぢ・さ・ん?)全部知ってましたよ……♪」(クスクス…)って、嘲笑されているような、とても恥ずかしい気持ちになりました……(ぎゃああ〜、ごめんなさい〜!まー、嘲笑もされてみたいけど……)。

 

創くんオリジナルSPPについて──やっぱり清純派だった

でも、またさらに言えば、今回のMVのこわいところは、その時の気分で結構違って見える気もするところです。例えば、次の日に起きて、紅茶でも飲みつつ、朝の爽やかな雰囲気の中でMVを見直してみると、あれ? そんな心が折れるようなものでもなかったかな? とも思えたりする。投げキッスくらいよくあるじゃん。普通にアイドルっぽい、ありがちな振り付けじゃん、え?何を言ってるの? ……って、修復不可能なほどに、創くんにドン引きされるかもしれません、こんなこと言ってると。

だってね、創くんオリジナルSPPを見たら……そこにいたのは。

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(↑「おいで・・・」から・・・)

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(↑こっちにくる?──少し目を細めて…至高の表情ですね…。「創くんが目を細めた顔」マニアの私としてはたまりません)

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(↑ぼくとあそぼうよ!)

そう、そこにいたのは、私が昔から知っている通りの、天使の創くんだったのです……。

清らかで、あどけなくて、優しい、本当に子うさぎのような創くんがそこにいたのでした。「どうしたの? 森に迷い込んでしまったの? 大丈夫? こっちに来る?」

って、こっちの様子を伺っている、うさぎさんでした。

飼っている子うさぎさんが、魔法で1日だけ人間の男の子になって、みんなに会いに来たよ(内緒だよ)、みたいな童話のようなお話しが頭に浮かびました。

私の変な気持ちは、これで全て浄化されました……。

 

創くんの振り付けについて──創くんの指、爪……

今回の振り付けは、まず創くんに絞って言えば、「」が最高に最高でした。

時計の針を表すような振り付けが多くて、指をよく使うんですが、創くんの「指使い」が目立つ場面が2箇所あって、これと、

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(↑「ちょっと覗き込んじゃった・・・」のところ。)

これ。

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(↑「鼓動が Ticktack・・・」のところ。特にここの指使いがいけない。)

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(↑あと、「ひ〜と〜みに、Fallin’」のところも小指を立てている。アップで写して、お指!)

ふう・・・えっち・・・。

イベント衣装はグローブをつけてしまうので、この「指」の美しさが際立つのは、それ以外のお衣装でライブした時のような気がいたします。創くんのあまりの指の美しさに、クラクラとしてしまいます。

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(↑イベント衣装だとこう…これもまたよし)

だいたい、創くんは、指がとっても綺麗な子なんですよ。きっと。ああいう美麗な少年には、ぜひ、綺麗な指、おててをお持ちでいて欲しいですよね。

細くて長い、きれいなお指。そして指先まで・・・そう、爪の形も綺麗であって欲しいですね。自爪の形が、楕円形というか、細長い形であってほしい(潰れたような、横長な形じゃなくて…)。人差し指の爪の形も大事に決まっていますが、私としては、”親指”の爪の形が、非常に重要だと思います。

もう創くんは、絶対そういう形のお爪をお持ちでいて欲しい…いいえ、お持ちであるに違いありません。伸ばしたりネイルとかしてないのに、ツヤツヤで、伸ばしてるように見えるような、シュッとした細長い爪の形でいて欲しい。

こういうの見てよ。絶対そういう爪の形だよ。間違いないよ。

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(↑関節は外側に反るタイプ)

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(↑手首の美しさ)

 

 

みんなの振り付けについて──ウサギのようでオオカミ?

──前脚ぴょんぴょん

あとは、ユニット全体の振り付けで言えば、やっぱりなんと言っても、前足あげてぴょんぴょんのポーズですよね。サビのところも、それ以外も、けっこうずっとこのポーズをしていて、一番印象に残る振り付けじゃないでしょうか。

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今まで「うさぎ」を表現するのは、「うさ耳」のポーズ──両手でお耳を作ってぴょんぴょんってするのが、ほとんどでした(あとはちょっとウサギの尻尾のふさふさを表現するような動きもあったくらい)。こういう前足をあげる振り付けもなかったわけではないのですが、こんなにずっとはしていません。

もうこれは、まず間違いなく、言うまでもないことですが、か・わ・い・い・!・!・!

これは本当に、言うまでもないことですがね。何回かわいいかわいい言ったかわかりません。

でも同時に、「うさ耳」ポーズをいわば「封印」しているのは何故なのかな、と少し気になりました。今まで定番中の定番で、おそらくどのRa*bitsの曲の振り付けにも「うさ耳」ポーズが入っていたと思いますが、今回は、この定番中の定番、誰がどう見てもウサギですね、というようなあの振り付けが、見当たらないのです。

それに代わって出てきたのが、この前足をぴょこぴょこさせるポーズ。

これはまずシンプルに考えて、今回のお衣装にはすでに「お耳」がついてるから、手でまでもお耳を作るとかぶるから、っていうだけのことなのかもしれません。…うん、そうかもね。

でも、ここであえて深読みをするならば、私の印象では、あの動きは、そうと言われなければ、必ずしも「ウサギ」と特定できないポーズだと思います(「うさ耳」のついていない他のお衣装でライブすると、余計にそう感じます)。イヌっぽい気もするし、イヌ科の何かの動物にも思える・・・そう、オオカミにも見えます。多分そういうことなのではないでしょうか? ウサギの皮を被ったオオカミ・・・あるいは、ウサギだと思ったらオオカミ・・・みたいな・・・。(今回お衣装についている「うさ耳」は、あくまで「つけ耳」ですしね・・・。)

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(↑ イヌっぽいし、イヌ科のあれっぽい…)

「僕のこと 追いかけてよ」

っていう歌詞がありましたが、今回、うさぎさんたちは逃げているようで、アリスを導いて、誘っているし、そうやって追いかけていった先で、やっとうさぎさんを捕まえたと思ったら、逆に捕まえられてしまう=恋に落ちてしまう・・・というようなことだと思うのです。「時計なんか見なくていいから、僕を見て・・・早く早く・・・」って歌っているのも、そんな感じがします。

 

──わちゃたいな〜♪ (なずな&友也)

なずなと友也くんとの掛け合い部分がとんでもなくかわいかった!

What's the time, now?

I don’t know.

の部分ですね。2人のセリフを入れ替えて、この同じやりとりが2回あるのですが(Game ver.)、

私は、特に2回目のなずなの「What's the time, now?」が、本当にかわいく聴こえて。

「わちゃたいな〜〜♪」って、なずならしいちょっと舌足らず(?に聞こえる気がする)な発音で、首をぴょこっと傾げる動作が、かわいいかわいい♡

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(↑なずなのわちゃたいな♡)

に〜ちゃんは、おれは計算して、こういうかわいい動作をしてるんだぞ〜、って言いそうだけど(かわいい)*2 、たぶん実際にはに〜ちゃん普段からこういう「ぴょこっ」としたかわいい動作をしてそうで(かわいい)*3 、しかもそのこともみんな知ってて…、っていうのがありそうで、かわいいですよね(とてもかわいい)。

 

──恋に落ちていく表情 (光)

曲の最後の悩ましげな表情もね。光くんパート。「恋に落ちていくんだ〜」ってところ。

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(↑創くんを光ポジションに置き換えてみた。ふう…なやましい…)

こんな表情なかったよ。今までのRa*bitsの曲で。もう。

光くんは、近ごろドラマで「かっこいい」役を演じたりして、彼に「恋をした女の子もたくさんいる」らしいと言われています*4 。「デートプラン」を考えるというシャッフルユニット企画に光くんが参加している*5 のも、こうした活躍と関係があるでしょう。

つまりRa*bitsメンバーの中では、「恋」といったものに一番近いのは光くんで(例えば創くんは「恋とか……ぼくにはまだ難しいんですけど*6 と言っていた・・・言っていたのによお〜〜…… )、だからここで「恋に落ちていくんだ〜」を歌うのは、光くんが一番ふさわしいですし(ドラマでファンになった人も喜びそうじゃない?)、またそんな光くんがダッシュで引っ張ったからこそ、そもそも今回、Ra*bitsはこの企画にチャレンジしてみることもできたのでしょう(イベントストーリー)。

今回は光くんが「センター」の位置にいますしね!

あとは、「イベントストーリー」で逃げる光くんをみんなで捕まえる!(と同時に、「本当の光くん」を探す…それは光くん自身も自分を再発見するっていうことだと思いますが)っていうのが、文字通り「僕のこと 追いかけてよ」で、今回はやっぱり光くんがセンターで主人公だともいえますね。

 

──ちょこちょことした動き

最初の歌い出しの直前のところで、ちょこちょこっと素早く動く振り付けも、と〜っても可愛いですよね! 本当にうさぎさんがお顔を洗ったりする動作みたい。

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(↑創くんカードの才能開花イラストもここの振り付けですよね。)

でもその可愛い動作の端端から、何か色っぽい雰囲気が出ているようにも感じます。

 

イベント衣装、合いそうな曲

──和ゴス&うさ耳軍人ふう 〜紅月「百花繚乱、紅月夜」

今回のお衣装は、まずは、Valkylieとか、UNDEADの曲が合うだろうと思ったのですが、それのみならず、案外「紅月」の曲も合うかも、と思いました。

「ブラック」がテーマの衣装だけど、裏地とか細かいところに「赤」が使われていたりして紅月っぽいですし、ダイヤチェック柄が使われているのも、市松模様っぽくて、「和ゴシック」的な雰囲気にも解釈できるような気がして、和風な世界観にもけっこう合うんじゃないかなと思ったのです。

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(↑うさ耳だけど、敵には冷酷で、容赦しない──みたいな。)

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(↑謎のかっこよさ・・・どこかの架空の軍隊。)

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(↑うっ、まぶしい・・・。この子を主人公にした漫画が読みたいね…。)

うん、かっこいい。創くん。

創くんには、ぜひこのお衣装で「刀」を差してもらいたかったので、神崎先輩のポジションに配置。そういえば、創くんのおかっぱ風な髪型も、和風に解釈できますね。

あと、このブラックバニー衣装は軍服っぽさもあるので、刀を持つと、架空の和風レトロな時代の軍人?みたいにも見える(和風スチームパンクのような)。

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他のお2人のポジションは、なんとなく見た目などの雰囲気から、なずなと光。衣装ピースがなずなの分しかないので、2人とも七夕衣装で合わせました。

 

──独特なV系ホストふう 〜UNDEAD「Valentine Eve's Nightmare」

UNDEAD曲。合いますね。

なんか、創くんを薫くんポジションに置くのがいつも好き。

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(↑ううっ、やばい、かっこいいっ……!!

うん、なずなくんは見た目で言えば、かなりこういう趣向にハマりますね…

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──怪しげなサーカスふう 〜Valkyrie「今宵月の館にて」

あとは、やっぱりという感じで、Valkyrie曲。*7

このブラックなうさ耳衣装は、怪しげなサーカス団、っていう感じです…。「特等席をあげよう ようこそ一夜の退屈凌ぎに…」

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サーカス団員の少年たちは、生きているようで、実はもう死んでいて・・・肉体だけが、何者かによって操られている──みたいな・・・あ、自分で言ってて怖くなってきた、やめよう・・・。

 

──Ra*bits曲:別の解釈をうむ感

Ra*bits曲ももちろん合いますが・・・

どうしても、ちょっと「えっち」なので、この衣装・・・。

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(↑「ドキドキエスコートさせて…」)

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(↑「カラダ中ハッピーに…」)

 

過去の創くん衣装だと何が合うか?──美脚

反対に、これまでの創くんライブ衣装だと、どれが今回のイベント楽曲「FALLIN’ LOVE=IT’S WONDERLAND」のライブに合いそうでしょうか。

──ユニット衣装

色々試したのですが、やっぱり(イベント衣装以外だと)、ユニット衣装が一番、魅力的に見えるかな、と思いました。

『!!』の新ユニット衣装の長ズボンは、かなりピッタリとしたもののようです。創くんのおみ足の綺麗な形を、はっきりと拝むことができます。

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創くん、脚が細くて、本当に綺麗。改めてうっとりできます。

だから今回の新たな発見というか、収穫は、創くんは半ズボンが一番に決まってる!と思い込んできたけど、ああ、こっちかも、長い方かもって、気づいたことですかね。

──弾むアニバーサリーロック衣装

ですので、同じ理由で、「6周年」のお衣装もなかなかお似合いだと思います。ちょうど同時期に手に入るものでしたし。

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──グレーテル衣装

そして、次にいいなと思ったのが、「グレーテル」のお衣装です。

童話風の世界観ですので、童話の題材は異なりますが、やっぱり合っていると思いました。

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(↑「読みかけの本には・・・」創くんが童話の読み聞かせの練習をしているストーリーがありましたね。)

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そして、通常パフォーマンスのとき、スカートっぽい形のズボンがひらひらして綺麗です。

──(ちなみに)なずな「専用衣装」〜メルヘンかわいい

ちなみに、なずなの「専用衣装」もお似合いだと思います。MVの背景セットと、メルヘンな雰囲気が、とってもよく馴染んでいますよね。

メルヘンかわいい2人(↓)。ピューロランドのパレードみたい。背景も「知恵の木」っぽい。

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イベントストーリーについて──覚えてる?始まりの日…

イベントストーリーは、私のような下賤な人間のいろいろなものを浄化してくれそうな、清らかな内容でした。

──Ra*bitsの物語:あの日の「講堂」から

過去から現在まで、Ra*bitsのたどってきた道を振り返るような内容でした。それは、以前のRa*bitsイベント「再開*成長見せてハイタッチ」でも少しそういう要素があったのですが。『Love it Love it』の歌詞の内容が、まさにそんな感じでした。

過去を振り返る・・・というより、過去を改めて現在の視点から受け止める、受け止め直す・・・といった感じでしょうか。そのために、光くんの記憶喪失という事件がうまく作用していました。「本当の」光くんを探す、というのは、つまり「今の[現在の]光くん」を見てあげるということでしたよね。「現在」から「過去」を受け止め直して、「未来」へ進むという構図になっていました。

ここで真っ先に浮かんだのは、次の言葉です。

「覚えてる? はじまりの日 キミはどんな気持ちでいたの?」(「Love it Love it」*8 )

今回は、イベント楽曲よりもむしろ、この「Love it Love it」の歌詞とのリンクが、どうしても感じられてしまいます。

光くんが勝手にユニット衣装を注文してしまったこと・・・そしてそれを初めてお披露目した日のこと・・・「覚えてる?」。

あの曲の歌詞で「はじまりの日」が何なのか、しかもここでの「キミ」が誰を指すのか、これは色々に解釈ができて、またそのように作られていると思うのですが、一つには、今回のストーリーのように、『!』以来の、過去から未来へと続いていく「Ra*bitsの物語」を重ねて解釈できるのではないかと思いました。*9

今回のイベントストーリーでは、『!』の、例の「S2」事件も、振り返っていましたよね。あのライブ会場になった「講堂」で、創くんと光くんとでお話ししているシーンは、今回のストーリーでもいちばん印象的な場面でした。

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あのあと「メインストーリー」的には明星先輩たちのハートに火をつけて、革命へ・・・という大きな流れへとつながるので、そちらの「全体の物語」の印象が強いのですが、あの出来事が、Ra*bitsのみんなにとってはどんな意味があったのか?(=「Ra*bitsの物語」)、特に、光くんにとってはどんな意味があったのか? ということが、今回改めてはっきりと語られていました。「キミはどんな気持ちでいたの?」。

(全体の「大きな物語」と、「Ra*bitsの物語」──Ra*bitsは、「メインストーリー」などでもそれほど出番があるわけではないのですが、その結果、「大きな物語」に回収されない、独自の「オアシス」のような場所を作っていると思います。──いつのなんだったか、「Ra*bitsはオアシス」的なことは誰か(キャラ)が以前にも言っていたと思う。誰だっけ・・・。私だっけ。)

確かにこれまでも、例の「S2」事件について、Ra*bitsのみんなが振り返って、語る…というほどはっきりとではないにせよ、触れる、ほのめかす、というような場面は、細かく見られます。さまざまなイベントやスカウトのストーリーなどもそうですが、一番わかりやすいのは「メインストーリー」の「S1」の時でしょう*10 。そこでは創くんが、

「ぼくも『S2』で負けて……敗北の悔しさを、涙の苦さを知って」 

と話していました。

ちなみにこのとき光くんは、

「ワクワクするぜ〜☆ 創ちゃん、ポップコーン食べる?」 

などと話しています。「いえ、結構です。なぜかぼくまで緊張しちゃって、何も喉を通る気がしません」(創くん)・・・創くんとは対照的に、光くんはポップコーンを食べてはしゃいでいて、例の事件をそんなに深刻に捉えていないように見えてしまうかもしれません。

もちろん、その後ポップコーンを食べながらも、「オレたち『Ra*bits』も、 こんな大観衆の前でパフォーマンスしたかったぜ…… ♪」*11 と言っているところには、悔しさが滲んでいることがわかるのですが、今回の、「ブラックバニー」のストーリーでは、そんな光くんの気持ちが、改めてはっきりと語られていました。

そんな状況なら、オレ悔しくてすごくがんばりそうな気がするもん!(イベントストーリー「「Mitsuru to Escape/第四話」)

しかも、「そんな状況」の悔しさが、おそらく光くんがアイドルを、本気で頑張ろうと思った理由だった、ということが語られています(あくまでもまだ記憶喪失が完全に治っていない状態の光くんの話ではありますが)。創くんを前にして、あの講堂で光くんがそんなことを語っているというのが、なんとも感慨深いです。

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創くんが言っていたように、光くんのこと、よく考えたらそんなに知らなかったかも、っていうのは、私もハッとさせられたところです。そんなに色々と長々喋るタイプではなさそうですし(すぐどこかいっちゃうし)。

元々、光くんが最初にアイドルになろうと思ったきっかけは、陸上競技のときに応援に来ていたアイドルの人が・・・というエピソードなのですが(今回も語られたし、過去にも語られたことはある *12 )、その後、本気でアイドルをがんばろう!と思ったのは、やっぱりあの事件がきっかけだったというわけです。

過去を振り返るといえば、光くん、昔は目を離すとすぐダッシュしてどこかへ行ってしまような子でした(小学校の時そういう子いた気がする)。最近は少しおとなしいというか、落ち着いてきたなと思っていましたので、そういう意味でも光くんらしい可愛さが改めてみられてよかったです。

それに、元気に飛び跳ねる光くんに対する、残りの3人の反応がまた可愛くて可愛くて。驚いたり、振り回されたり、でもあんまり怒ったりしないで、探しに行こう、っていうあたりとか・・・もう、なんてみんな優しくて良い子なの・・・。

 

──創くんの制服、私服

そういえば、『!!』になると、夢ノ咲学院もあんまり登場しなくなって、特に、創くんたちの学院制服姿は、なんだか久しぶりに見たような気がして、今回は男子高校生らしいお姿をありがたく拝ませていただきました・・・。(「スカウト!スプリングベッド」でも制服姿は見られましたね。)

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(↑光くんに声をかけている。「お〜い」のボイス。・・・このボイス好き。すごく素朴な声なんです。)

すでに出てきている、なずなの大学生ファッション?的なのも良いものでしたけどね。

ちなみに創くんの私服って、今回も思ったけど、ちょっと控えめなんですよね。

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でもあえて少し地味めの私服というのが、むしろ良いとも言える。地味な男子が着たら普通に地味になるかもしれませんが、創くんみたいにあからさまに顔のいい子が着ると、かえってその美しさが際立って、輝いて見えるのです。創くん本人はずっと自分のこと地味だと思って生きてきたみたいですけど、それも服装に反映されているのかもしれません。

ねえこんどさ、創くんの私服を選ぼう〜、考えよう〜、みたいなお話ししてくれないかな。いろんな人の私服を借りて着てみたり。

最近思ってるのは、光くんの私服みたいな、少しダボっとした、スポーティーな感じのを創くんが着たら、やたらとかわいいのでは、ということ。そんな創くんが、クッションとかを抱えたりして、お家でゆるっと過ごしてるふうのアイドル生写真とか発売してくれ。

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(↑こういう感じのを創くんが着たらやたらと可愛いと思う。)

 

──スマホでびっくりするしののんが相変わらず可愛い

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創くんが毎回、スマホでびっくりするのが相変わらず可愛いです(マイメロちゃんみたい*13 )。

そういえば最近では、寮のお部屋で「すごろく」で遊んでいるそうでしたし(「再開*成長見せてハイタッチ」)、あんまりそういうスマホとかにどっぷり浸かるタイプではないのです。

 

Ra*bitsにおける「かっこいい」/「かわいい」問題の系譜

Ra*bitsの「楽曲」だけ並べてみると、今回のダークな雰囲気の「FALLIN’ LOVE=IT’S WONDERLAND」は、ずいぶん唐突な路線変更のように見えるかもしれません。「Joyful x Box*」とか「Love Ra*bits Party!!」とか、直近の「Love it Love it」などと比べると、かなり違った雰囲気の曲です。

しかも、そのことの説明がストーリーでは薄いようにも見えるし、どういうこと?って。

けれども、過去からの文脈を踏まえるならば、これはそれほど大きな路線変更ではないと思います。むしろ、ちょうど1年前くらいから積み上げてきたことの一つの成果が現れている、と言えるでしょう。・・・

└→長くなったので、別の記事にします。

miusow.hateblo.jp

 

 

創くんは「天使」なんかじゃない/である──「紫之創の物語」

あと、「ブラックバニー」イベントに関連してどうしても考えておかねばならないのが、私の大好きな紫之創くんの「天使なんかじゃない」問題です。みなさんご存知の通り、創くんの最近の悩みは、アイドルとしての固定的なイメージ(「天使」のような)を押し付けられそうで、「もやもや」しちゃう、というようなものです。

創くんがそんなふうに悩んでいるのは、私もつらいです。この「ブラックバニー」企画へのチャレンジが、創くんにとって何か少しでもプラスにならないか、少し考えてみました。

創くんの歩み(「紫之創の物語」)にとって、どのような意味を持つのかを考えたいと思います。「お菓子の家」スカウトも手がかりにしながら。

└→長くなったので、別の記事にします。

miusow.hateblo.jp

 

 

 

*1:Ra*bits「FALLIN’ LOVE=IT’S WONDERLAND」(作詞:松井洋平、作曲/編曲:INN)

*2:「スカウト!ベストショット」など。

*3:「スカウト!BADBOYS」第1話、顔を洗う仕草など。

*4:「再開*成長見せてハイタッチ」イベント。

*5:「SHUFFLE×恋の√はAtoZ」イベント。

*6:「バラエティとタッグ ボギータイム!」イベント。

*7:「今宵月の館にて」、作詞:こだまさおり、作曲:鳥海剛史

*8:作詞:こだまさおり、作曲/編曲:古川貴浩

*9:「Love it Love it」は、なずな復帰ライブのイベント楽曲ですし、なずなが「覚えてる?・・・」のパートを歌っていることを考えると、「はじまりの日」とは、まず第一には、なずなが2年生のときの「秋」のドリフェスのときのことではないでしょうか。創くんと友也くんが学院にもぐり込み、偶然、なずなと初めて出会った日。あの日は、なずなの運命も、また、創くんと友也くんの運命(というか将来の進路)も、ゴトリと音を立てて動いた日だったと思います。その運命は、Ra*bits結成までつながります。けれども、「キミ」をプロデューサー(転校生、あんず)とも解釈もできるし、ファンの人のこととしても捉えられるかもしれないし・・・。そして、光のこととしても捉えられると思います。

*10:『!』メインストーリー第64話「観戦」以降。

*11:『!』メインストーリー第67話

*12:『!』「エール*広がるハッピースプリング!」、『!!』専用衣装スカウトのストーリー「未来のスーパースター☆/第二話」、など。

*13:おねがいマイメロディ』で、マイメロがケータイが鳴るたびにびっくりしてぶるぶるしていたのを思い出します。うさぎさんで、紅茶好きで、のんびりしてて、かわいいので、二人ともよく似てるから、きっとマイメロちゃんと創くんは仲良しになれると思う。