ロマン主義アニメ研究会

感想、考察、等。ときどき同人誌も作ります。ネタバレ注意。

ループが解けるとき──あんスタが新しくなってまだ微妙についていけてない(It's always tea-time, and we've no time to wash the things between whiles.)

かわいいかわいいRa*bitsちゃんたちのことを知って、もう何年か経つけれど。

今、ゲームが何か全く新しい展開を迎えているようなのです。ついていきたい、知りたい、と思いながらもどこかで……面倒というか、今までの私の妄想から引き剥がされていくような、流されていってしまうような気持ちにもなって、寂しくもなる。

もくじ

「洗いものをする暇がないもんでね。」

夢のようにかわいくて優しい創くん(紫之創)のことを知ってから、勝手に一方的な気持ちを抱いてきたけれど。

こんな私の一方的な妄想とは別に、彼らは新しいステージへ踏み出しているようなのです。次の明日へとジャンプとか、次の季節へ進もうとか、ずっと歌ってましたものね。だから私もついていって、応援してあげなきゃいけないのだけど……。

(そう、創くんが本当にやりたいアイドル活動なら、それを全力で支えてあげなきゃいけないんだ。)

 

だけど、いま思い出した……この辺りの歌詞は、元気で可愛いな、って思いながらも、すでにずっと以前から、何か不安な気持ちを掻き立てるものでもあったんだ。置いて行かれるんじゃないか、って。こんなこと思うなんて、本当に私はどうしようもない人間だと思うのだけど……。

 

作っている人たちの「リリース」の都合で、やっぱり私も気持ちを切り替えたりしなければならなくなる。

時間の止まったような、秘密の花園(ガーデンテラス)で永遠に続くお茶の時間のような──「ショーケースの鍵が錆びついてしまって 壊れていたことにさえ気付かずにいた」(Valkyrie「砂上ノ楼閣」)……というような、

そんな妄想にずっとずっと浸っていたいと思ってしまうダメな私は、だからもしかすると、どなたかが用意してくれた「2次元の王子様」で妄想するのさえ、やっぱりあんまり向いていないのかな……、とさえ思いつつある。私は、私のために、自分で妄想を作るしかないのかもしれない(そういう妄想自体をやめるという選択肢は、ない……)。例えば、美しい男の子の「お人形」(ドール)は、その選択肢の一つだと思っています。お人形のお店を見たりは時々してる。(でも、小さくても、人間のお洋服と同じくらいのお値段がするお洋服を売っていたりして、そういうのを自分で作れたらいいのだろうけど……自分が着る服へのこだわりがなくなったら、お人形を大事にして生きていこうかな、とも思ってる。)

 

「だけど、ふりだしにもどったら、どうするの?」

おそらく、時間の流れがループしている、っていうこのゲーム(『あんスタ!』)の独特の構造もまた、私のこの「時間の止まったお茶会」的な妄想の趣味に、マッチしていたのだと思います。

(『アリス』の「いかれ帽子屋」のパーティーは、席を一つずつ移っていって、テーブルをぐるぐると動きながら、「ループ」のように延々と行われているのでした。──なぜなら彼らには「お茶の時間」だけしかなくて(It's always tea-time)、「カップを洗う時間」がないから(...and we've no time to wash the things between whiles)。……そう、創くんには「お茶の時間」だけを過ごして欲しくて、「カップを洗う時間」なんて過ごして欲しくない。──でも、このやり方では先頭の帽子屋だけが綺麗なカップを使える仕組みだし、ループするうちにいずれ帽子屋も汚れたカップを使うことになる……。「ふりだしにもどったら、どうするの?」とアリスが聞いていたように。)

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(↑アリスになった創くん。)

とはいえこれは同時に、『あんスタ!』は、ループするだけのはっきりとした時間経過を持っているという意味でもあって、ゲーム内のループが描かないその先の時間がつねに示唆されてもいたわけです。だからまた、このループは、私たちが見ていない場所ではすでにとっくにほどけていたのであって……それはもう、とっくに知っていることでもあったはずなのです(それなりに未来のお話も、たまにちらほらと示唆的には描かれていた)。

そういうループの解け目への予感が、多分、さっき挙げた、Ra*bitsちゃんたちの歌の歌詞にも現れていたのでしょう。

だいたい、アイドルコンテンツは大抵、アイドル「育成」コンテンツと言われるように、アイドルたちは成長し、育っていくものであって、だから当然、時間が経過していくものなのでしょう。だから、ありとあらゆるアイドルコンテンツは、ループしているようでループしていない。

 

それなのに私は、今さらになって、ダダをこねている。ダメな人なんだ……。

 

そもそもある種の少年愛(架空の少年に対する)のようなものは、絶対に直面するものなのかもしれません、このほどけていく「ループ」の問題に。ループが解けるとき、悲劇が起きたりもするので、古来より様々なお話の題材にもなってきたのでしょう。要するに例えば、しばしば、伝統的な美少年というものは、死んでしまったりする。少年はループから抜け出せない……美しければ美しいほど。あるいは、抜け出させない(ちなみに少年(客体)の代わりにおっさん(主観)が死ぬのが『ベニスに死す』)。

ループに浸っていたい欲望と、同時に、ループの切れ端がときどき目に入る不安感との葛藤が、独特の味わいなのだ、などと言えるだけの上級者の人もいるのかもしれませんが……。

 

(追記)うん、でも、やっぱり良かったよ……

……とか、ごちゃごちゃ言っておきながら、ちょっと『Music』やってみたら、うん、やっぱり良いよね。 

最初に引いたガチャの、★3の創くんカードだけでも、もう良かった。

汗をかきながら練習している創くん……がんばってる……!キラキラと光る汗!!(ガチャ引いた時のキラキラ効果が、ちょうど汗のキラキラに見えた……)──いつも持ち歩いているサシェの香り(ラベンダー)とかが、ふわ〜と漂ってきそうで……

簡単なもので、もうたったこれだけで、やっぱり良いな、やろう……と思えました。