ロマン主義アニメ研究会

感想、考察、等。ときどき同人誌も作ります。ネタバレ注意。

SFY感想、「ごちうさ論シリーズ」既刊頒布方法について、他

皆さま、ごきげんよう

ごちうさ論しりーず」を頒布してきた、ロマン主義アニメ研究会のサークル主です。

すでに過去の記事でもお話ししていますが、ごちうさ論は、表立ってのサークル活動としては、しばらくの間、小休止しようと思っています。

それは、これもブログや既刊のあとがきなどでお話ししたことですが、『ごちうさ』さんご本人の展開を、もうちょっとしばらく見守ってからゆっくり考えたい、という気持ちがあるからです。皆さまも、結構そういう気持ちなんじゃないでしょうか。どうでしょうか。今まだ、ごちうさ物語は、砂時計のくびれた場所とか、階段の踊り場とか、なんかそういう場所にいるような気がするのです。

ごちうさ Sing For You」*1も、鑑賞しました。大変素晴らしいと思いました。ストーリーはすでに原作で穴があくほど読んでいる部分ですから、新しいことはない…などということは全くなく、色々と気付かされるところもありました。

私としては、個人的には、原作「Cup of Chino」*2の最後の四コマで、「みんな来てくれた!」と言って、ハフハフとチノちゃんが走って帰ってくるシーンが一番お気に入りで、もうほとんどあのコマだけが好きでこのエピソードが好きだったと言ってもいいくらいだったのですが、アニメでは他にもたくさんの要素を盛り込んでくださったおかげで、大きな広がりを持ったものになっていました。原作ではチノちゃんがみんなが来てくれたことだけを気にしていたのに対して、アニメではお母さんのことも含めて考えている、という大きな変化が見られました。

もくじ

繰り返し構造

明らかなことですが、「さあ、チノ(ちゃん)もご一緒に!」と言うところは、ココアとサキとのセリフが重なっています。バゲットの歌*3、「銀のスプーン」という、大きな歌の性格の違いはあるけれども。(かつて、タンポポの額縁への感想も、ココアとサキとで重なっていた。タンポポは、周知の通り、サキとの思い出の象徴として効果的に使われている。)

しかしこの違いは、結局のところ、繰り返しの中で前に進んでいる部分です。しっとりした「銀のスプーン」に対して、一見バカバカしい賑やかな「バゲットの歌」。「賑やかなのも……たまには役に立つな」とティッピーが言っているように。その差分が、「いま私素敵な人たちと一緒です……だから」という締めくくりのセリフでしょう。

「家族」の踏み込んだ描写

タカヒロがあんなにはっきりと、チノに語りかける場面、いわゆる家族らしいシーンというのは、これまでに全くなかった。原作では未だにない。これはかなりOVAで踏み込んだ描写がなされている。

また付け加えて、サキのことをこれほどこの家族で話題にする場面もまた、非常に稀。原作では、母についての、やはりいまだにこれほど踏み込んだ言及、場面はない。

3期の予測

先ほどのティッピーの「賑やかなのも〜」というセリフは、(原作時間軸的にこれより後の)2回目のクリスマスの様子を見たティッピーの態度が先取りされているように見える*4
『ディスクガイド』でも、SFYと3期とのつながり、ということが強調されている。
これは夏のエピソードであり、この後に来る季節、「秋」のハロウィンのお話(サキ?が活躍する)が、当然ながら、控えていることが想定されるでしょう。
そしてさらにその先に、サキの思いの(想定以上の)結実としての2度目のクリスマスのエピソードが控えている。アニメ1期はKoi先生の希望でクリスマスまで描かれたというが、おそらく3期もまた、2度目のクリスマスを一つの区切りとして、ちょうど最終羽に(あるいはその一つ前くらいに…1期はそうだった)、持ってこられるかもしれない。

とにかく贅沢なOVA

とにかく贅沢な作品だと感じました。

OVAだから当然ではあるけれども、ごちうさという作品のこれまでの全てをきちんと把握した人、踏まえている人でなければ、十分楽しめないような内容になっている、と思う。そしてそれが成り立つくらい、作品が成熟しているのだなあと思った。これはもうあきらかに、成熟したファンに向けられた作品。
逆に言えば、ごちうさのこれまでの文脈(また、原作を知っている人からするとこの後に続く文脈)を踏まえずに見ると、さらさらと流れていってしまうような、軽やかに楽しめる作品に仕上がっている。そういう意味でも、とても贅沢な作品だと思う。
ちなみに、一つ前のOVAである、劇場上映もされた『DMS』は、あの作品だけを初めて(たまたま映画館などで、あるいは人に連れて行かれて)観たとしても、かなり楽しめるように工夫がされていたように感じた。

また、ごちうさのキャラ達で、アイドルアニメのような場面を見ることができたというのも、非常に贅沢に感じた。個人的に私は二次元アイドルコンテンツが大好きだけど、それをごちうさキャラで見られたという喜びも大きかった。キャラ達が、動いて、歌ってる!っていう。

超細かいこと

・リゼ父がちゃんと出てきてくれてよかった。セリフもあったし(もはや娘が合唱に出ているわけですらないのに、応援に連れてこられているという…なにげにいつもタカヒロの言いなりになってる感が良い。振り回すタカヒロに、振り回されるリゼ父。かわいい。)。ごちうさパパーズ(?)の中では、やっぱり私は断然リゼ父派ですかね。かっこいいしね。

かつて、コントラバス的な楽器を演奏していたリゼ父。もしかすると、合唱会の行き帰りなどに、タカヒロとそんな昔の時代のことをお話ししたりしていたかもしれませんね。まだまだ俺の腕は落ちちゃいないぜ、みたいな。いいね。


・シャロ宅でうちわを深夜につくるシーンは、ココア・千夜の勉強会のエピソードを思い出しました。こういうのも細かくファンへ向けたメッセージというか、サービスを感じる。

たぶん、ココア&千夜が集まって何かしようとなると、シャロを巻き込んでシャロ宅で、ということになりがちなんでしょうね。そういう描かれていない日常も感じられました。

さらに超細かいことですが、なぜあの場面にリゼが呼ばれていないのかということ。おそらくリゼのお家はあんなに大きなお屋敷なので、あまり勝手に夜中に抜け出したりにくいのだろうと思います(ラビットハウスは裏口の木戸を開けてすぐ出られるけど)。──でも、初期のリゼと違って、もうそんなことで拗ねたりはしないのです(私だけ呼ばれてない…、とかそんなこと言わない)、きっと。

ココアが抜け出すシーンで、こんな風に裏庭と道路が繋がってるのね、っていうのが改めて確認できた。お洗濯のエピソードとか設定資料集などでわかっていましたけど。ペーパークラフト、絶対作れる自信がないから買わないけど、ますます完成品を見てみたいと思った(たまにアマゾンレビューを見る)。 

ほとんど関係ないこと

最近、ごちうさでは、やっぱりすっかりメグ推しになってきました。いつのまにかそうなっていた…ロリであれショタであれ、お兄さんでもお姉さんでも、動物でもぬいぐるみでも、やっぱりおっとりキャラが好きです。かわいいです。メンタル属性(SideM)。 

ちなみにメグ役声優さんの村川梨衣さんも、詳しくは存じ上げないけれど、とても素敵な方のようです。

既刊頒布方法について

あ、あと忘れるところでしたが、既刊が書店様の委託期間が終了し、うちに帰ってきました。そんなに多くはありませんが、コミケや通販などで、なにげにときどき既刊をお求めくださる方がいらっしゃるので、せっかく在庫もありますから、何らかの方法で頒布できるように工夫するつもりです。なんかそういうサービスあるよね。調べます。また決まったら、ここを更新しますね。

COMIC ZINさんの方は、『DMS』本だけですが、まだあるようなのですが…ちょっとZINさん自体がよくわからない状態なので、どうなっているのか…っていう感じです。) 

【追記2020/04/13】通販のお知らせ

通販のやり方ようやく調べました。BOOTHっていうやつですよね。こちらからどうぞ!

miusow.booth.pm

(ちょっと愚痴というか、雑談書かせて。はてなブログって、以前、記事を更新したらリンクが切れちゃった嫌な記憶があって、こういう「追記」みたいなのを書き加えるのもなんか怖いなあ、って思って、いろいろ調べました。未来の私への覚書も兼ねて書いておくと、どうやら、「カスタムURL」とか「投稿日時」をいじらなければ、ただ中身を編集して更新するだけなら、問題ないようです。記事のタイトルを変えるのは、なんか微妙で、大丈夫という意見と、やめたほうがいいという意見があるので、とりあえずやめておきます。「下書きに戻す」をした後、再び公開、とかも、あんまりやめたほうがいいっぽい。それと、今日ようやく「続きを読む」の機能を覚えました。あれどうやってるんだろう、って心の中で思ってたんだ。そしたらすぐ上にボタンがあったね。知らなかったよ。)

*1:ご注文はうさぎですか?? ~Sing For You~ 』2019/9発売

*2:原作5-8

*3:ココア「「ラビットハウスへ行こうよ♪」のうた」

*4:原作6-12