ロマン主義アニメ研究会

感想、考察、等。ときどき同人誌も作ります。ネタバレ注意。

【C94】『ごちうさ6巻を読む(前半)』、ごちうさ論、ほか既刊アリマス!!【2日目 西め34a】

皆様お暑い中、いかがお過ごしでしょうか。もうすぐ夏コミですね。私は、カタログを見て、お買い物しなきゃいけないものを早くチェックしなければ、と思っているところです。

さて、今回は、当サークル「ロマン主義アニメ研究会」の、コミックマーケット94(夏コミ)参加のお知らせです。どうぞよろしくお願い致します。

【スペース】

コミックマーケット94 2日目(土曜日)

2018年8月11日(土) @東京ビッグサイト

西1 め34a

https://webcatalog.circle.ms/Perma/Circle/10371368/ 

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【最新刊】

ごちうさ6巻を読む(前半)』

B52段組 48頁 ¥500

──「ごちうさ」考察・随想・評論本。

(今年6月の「3秒でもふもふ」@インテ大阪 での新刊)

 

【既刊】

・『ごちうさ論 その1 <基礎編>』 ¥300

・『ごちうさ論:「Sister」の「魔法」──アニメ「Dear My Sister」から読み解くごちうさ』 ¥500

・『chimametai ni naritai!!』(コスプレ写真集) ¥400

  

 「西」館です!  (西館は涼しい、とかって聞きますが、どうなんでしょう?)

スペースにて、皆様のお越しをお待ちしております。既刊もいくらかご用意がありますので、よろしければ手にとってご覧いただければ幸いです。

 

 (追記)『ごちうさ』に独特な研究意欲を掻き立てられている人(なんで?なんで?)へ

改めて、コミケがあるので、ちょっと『ごちうさ』について、思うところを。

どういうわけか『ごちうさ』は、私の場合、もう研究意欲を掻き立てられて仕方がないのです。読んでいると、この発言は、たぶん以前のあれを踏まえてのことなのかな?確かにこの場面は、あのときと同じだよね。あのときと同じシチュエーションでありながら、しかしここが違っている。この「差分」が、つまり大事なことなんだ・・・とかっていうように、研究スイッチが入るのですよね。不思議なことに。

萌えるというより、こっちの態度の方が先に始まってしまい、面白くて仕方がないのです(正直に申し上げますと、もうほとんど萌え抜きで楽しんでいるのです…天ぷらそばのそば抜きとか、天ぷら抜きとか、そういう意識が高いのか低いのかわからない妙な食べ方をする人みたいで、申し訳ない気もします…)。あまり一般的な楽しみ方ではないとは思うけど、似たような人も少数ながら世の中にはいるのではないかと思って、こういう本を作ったりしています。

ごちうさ』にはかなり、理屈っぽい「骨格」があると思っています。

ふれあい動物園的なところとかで、かわいいふわふわの柔らかいウサギを抱きかかえてみると、意外と骨格の出っ張っているところがあったりして、「あれ、意外と細いね。意外とゴツゴツしてるね」と気がつくような、そんな感じでしょうか。

そして、ぬいぐるみみたいだと思っていたのに、呼吸のたびに体が大きく動くのが伝わってきて、「息をして、一生懸命生きているんだな、この子は」と気がつくような、そんな感じです(チノが、うさぎのぬいぐるみの「縫い目」に気がつくシーンを、思い出してみてください[DMS、原作5巻]。〝優しい世界〟には縫い目があり、リゼの手の傷もあるのです)。 

 

最新刊『ごちうさ6巻を読む(前半)』について(まえがきより一部抜粋)

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──神様はちっちゃいに宿る、とか? /それはきっと細部だと思うよ

チマメ隊「♡♡ケーキをもうひとつ?」

 

──やりたいことから きらきら受けとっちゃうんだよ

ココア「きらきら印をみつけたら」

 

 今回お届けします新刊では、これまでと少し趣向を変え、具体的なエピソードごとに即して、読解を試みていこうと思います。とりわけ今回は、原作コミックス「第6巻」を対象にいたします。こちらは既に読まれている方が殆どだと思いますが、よろしければ、どうぞご一緒に、もう一度コミックスを手に取りながら、読み進めてまいりましょう。

 

──なぜこんなことをするのか?

 私が『ごちうさ』研究を始めて以来、気がついたこと…というより、単に好きで読んでいた『ごちうさ』を、ただ読むのでなく、どうしてもいろいろと「研究」したくなってしまった理由でもあるのですが、それはすなわち、『ごちうさ』には、無数に・至る所に、細かな〝仕掛け〟のようなものが施されている、ということです。とりわけそれは原作において顕著です(アニメではすくいきれないような細かいものもたくさんあります)。そうした細かな〝仕掛け〟たちに注意を払いながら、仕掛けから仕掛けへと追いかけていくうちに、次第に『ごちうさ』の物語の全体を、より立体的に把握できるようになってまいりました。

 こうした〝仕掛け〟を追いかけた〝結果〟をまとめたものが、既にお届けしております2つの本(既刊)であります。そこで今度は逆に、そうした仕掛けを追いかけていく〝プロセス〟を、皆様とご一緒に楽しめないだろうか、と思ったのです。

 

──日常系作品における「個別」と「全体」の関係、『ごちうさ』の場合

 一般的に言って、日常系とも表現されるような作品では、「個別」(個々のエピソード、個々の4コマ)を「全体」(作品全体の大きな文脈)から楽しむというよりも、「個別」を「個別」としてそのままに楽しむこと、あるいは、せいぜい〝全体〟は「個別」が単に〝集積〟したものとして捉えることの方が、多いかもしれません。具体的に言えば、例えば、気の向くまま好きなページをランダムに開いて楽しむようなスタイルが適切な作品も多いかもしれません。実際、日常系と表現される作品では、そういったものも多いと思います。『ごちうさ』もそうした楽しみ方は可能ですし、私もよくやります。

 けれども、『ごちうさ』は他方で、「個別」(個々のエピソード、個々の4コマ、もっと細かく言えば、登場する個々のあらゆる要素)を、「全体」(大きな『ごちうさ』の文脈)の中で位置付けて読み解くための手掛り・仕掛けが、あまりにも頻繁に、明らかに意図的に、随所に散りばめられているように思われるのです。まるで、謎解きのヒントをわざと配置してある…ちょうど「シスト」のように、組み立てられているようなのです。そう、『ごちうさ』は、シストの地図を追いかけるような気持ちで、仕掛けから仕掛けへと追いかけながら読み解いていくと、より立体的に・より深く、味わえるように組み立てられている(と思う)のです。

 

──なぜ6巻?

 まず第一に、コミックス6巻の重要性です。コミックス6巻は、これまでの『ごちうさ』コミックスに比べても、一つの大きな節目、あるいは折り返し地点のような印象を受けるからです。このことは、まずコミックスを開くよりも前に、〝表紙〟を見ただけでも、何か感じとられることではないでしょうか(のちに、6巻表紙の〝新しさ〟について詳しくお話しいたします)。そしてもちろん、収録されているお話からもそのことを感じ取ることができると思います。この「6巻」を軸とすることで、『ごちうさ』の過去のエピソードと、これから続くかもしれない展開との、両方を見渡せるような見通しの良い地点に立てるのではないか、と考えたことがまず大きな理由です。

 また第二に、せっかくですのでなるべく新しいエピソードで、というのもあります。とはいえ、本当に最新の「連載」の場合、単行本収録を待ってから解釈をしたいという気持ちが残ります。よく知られるように、単行本収録時にはしばしば〝修正〟が加えられますが、それにより、のちに本書でもお示しするように、お話しのニュアンスが変わるという事例がしばしばあります。

 

──(ちなみに)

 ちなみに、本書は「ごちうさ6巻を読む(前半)」となっております…いや、なってしまいました。今回はいろいろな制約から、文字どおり「薄い」本を作りたかったのですが、6巻の「表紙」の読解から始めて順番に各話を読解していこうとした結果、まず「表紙」だけでかなりの分量を費やしてしまい、さらにその後も、想像以上に分量が増えてしまいました。このようなことから、本書で触れていないエピソードについては、またの機会に読み解いてまいりたいと思います。

 

雑感、申し込みジャンル変更

 今回は、コミケ前にオンリーイベント(6月の「3秒でもふもふ」@インテ大阪)に参加し、そこで新刊を作っておき、それをそのままコミケに持っていく、というやり方にしました。コミケの前って、お買い物したりコスプレしたりしたいので、それだけでもけっこういろいろ準備がありまして(しかも、一応、普通の人間生活も送っていますから…)、ギリギリまで本を作っていると大変なんですよ。だから今回は本を先に作ってしまおうということで、こうしてみました。

 なので「3秒でもふもふ」に来られた方にとっては、コミケでは何も新刊がないのですが・・・それでも、まあ、お気軽に来てもらえれば、と思います。

 なお今回から〝ごちうさ島〟で申し込みました(こう字で書くと、うさぎ島の大久野島みたいですね)。やはりいろいろ考えて、こちらのジャンルに出るのが、一番しっくりくるだろうな、と思いました。

 これまでは「アニメ(その他)」で出てたんですが、ここにはアニメ評論系が固まっていて、収まりはよかったのです。でも原作はアニメじゃないしなあ〜、とか思っていました。とはいえ「ジャンル違い」とはされてこなかった=当選していたのだから、その問題はなかったと思います(またごちうさの「アニメ」での表現についてもかなり書いているので、その意味では、原作が何であろうと「アニメの評論」と言ってもいいのだろう、とは思っていました)。 ──何かのご参考に。

 というわけで、少し迷ったのですが、新刊も『6巻を読む』で思いっきり原作ですし、こちらでよかったかなと思います。

 ええっと、要するにお気軽に来てください!ということが言いたかったのです。よろしくお願いします。