当サークル「ロマン主義アニメ研究会」の、冬コミ以来の新刊&イベント参加のお知らせです。どうぞよろしくお願い致します。
新刊:
『ごちうさ6巻を読む(前半)』
B52段組 48頁 ¥500(予定)
──「ごちうさ」考察・随想・評論本。
参加イベント:
3秒でもふもふ
(トレ魂 4 内 合同開催)
[ご注文はうさぎですか? オンリー同人誌即売会]
2018年6月24日(日) 11:00~15:00
会 場 インテックス大阪 《5号館》
https://www.aoboo.jp/neo/item/p0106.html
スペース 5号館 カ74a
当日はスペースにて、皆様のお越しをお待ちしております。既刊もいくらかご用意がありますので、こちらもよろしければ手にとってご覧いただければ幸いです。
お品書き
【新刊】
『ごちうさ6巻を読む(前半)』¥500
【既刊】
・『ごちうさ論 その1 <基礎編>』 ¥300
・『ごちうさ論:「Sister」の「魔法」──アニメ「Dear My Sister」から読み解くごちうさ』 ¥500
・『chimametai ni naritai!!』(コスプレ写真集) ¥400
(↑新刊表紙イメージ)
◆新刊について
神様はちっちゃいに宿る、とか? /それはきっと細部だと思うよ
チマメ隊「♡♡ケーキをもうひとつ?」
やりたいことから きらきら受けとっちゃうんだよ
ココア「きらきら印をみつけたら」
今回お届けします新刊では、これまでと少し趣向を変え、具体的なエピソードごとに即して、読解を試みていこうと思います。とりわけ今回は、原作コミックス「第6巻」を対象にいたします。こちらは既に読まれている方が殆どだと思いますが、よろしければ、どうぞご一緒に、もう一度コミックスを手に取りながら、読み進めてまいりましょう。
──なぜこんなことをするのか?
私が『ごちうさ』研究を始めて以来、気がついたこと…というより、単に好きで読んでいた『ごちうさ』を、ただ読むのでなく、どうしてもいろいろと「研究」したくなってしまった理由でもあるのですが、それはすなわち、『ごちうさ』には、無数に・至る所に、細かな〝仕掛け〟のようなものが施されている、ということです。とりわけそれは原作において顕著です(アニメではすくいきれないような細かいものもたくさんあります)。そうした細かな〝仕掛け〟たちに注意を払いながら、仕掛けから仕掛けへと追いかけていくうちに、次第に『ごちうさ』の物語の全体を、より立体的に把握できるようになってまいりました。
こうした〝仕掛け〟を追いかけた〝結果〟をまとめたものが、既にお届けしております2つの本(既刊)であります。そこで今度は逆に、そうした仕掛けを追いかけていく〝プロセス〟を、皆様とご一緒に楽しめないだろうか、と思ったのです。
──日常系作品における「個別」と「全体」の関係、『ごちうさ』の場合
一般的に言って、日常系とも表現されるような作品では、「個別」(個々のエピソード、個々の4コマ)を「全体」(作品全体の大きな文脈)から楽しむというよりも、「個別」を「個別」としてそのままに楽しむこと、あるいは、せいぜい〝全体〟は「個別」が単に〝集積〟したものとして捉えることの方が、多いかもしれません。具体的に言えば、例えば、気の向くまま好きなページをランダムに開いて楽しむようなスタイルが適切な作品も多いかもしれません。実際、日常系と表現される作品では、そういったものも多いと思います。『ごちうさ』もそうした楽しみ方は可能ですし、私もよくやります。
けれども、『ごちうさ』は他方で、「個別」(個々のエピソード、個々の4コマ、もっと細かく言えば、登場する個々のあらゆる要素)を、「全体」(大きな『ごちうさ』の文脈)の中で位置付けて読み解くための手掛り・仕掛けが、あまりにも頻繁に、明らかに意図的に、随所に散りばめられているように思われるのです。まるで、謎解きのヒントをわざと配置してある…ちょうど「シスト」のように、組み立てられているようなのです。そう、『ごちうさ』は、シストの地図を追いかけるような気持ちで、仕掛けから仕掛けへと追いかけながら読み解いていくと、より立体的に・より深く、味わえるように組み立てられている(と思う)のです。
──なぜ6巻?
まず第一に、コミックス6巻の重要性です。コミックス6巻は、これまでの『ごちうさ』コミックスに比べても、一つの大きな節目、あるいは折り返し地点のような印象を受けるからです。このことは、まずコミックスを開くよりも前に、〝表紙〟を見ただけでも、何か感じとられることではないでしょうか(のちに、6巻表紙の〝新しさ〟について詳しくお話しいたします)。そしてもちろん、収録されているお話からもそのことを感じ取ることができると思います。この「6巻」を軸とすることで、『ごちうさ』の過去のエピソードと、これから続くかもしれない展開との、両方を見渡せるような見通しの良い地点に立てるのではないか、と考えたことがまず大きな理由です。
また第二に、せっかくですのでなるべく新しいエピソードで、というのもあります。とはいえ、本当に最新の「連載」の場合、単行本収録を待ってから解釈をしたいという気持ちが残ります。よく知られるように、単行本収録時にはしばしば〝修正〟が加えられますが、それにより、のちに本書でもお示しするように、お話しのニュアンスが変わるという事例がしばしばあります。
──(ちなみに)
ちなみに、本書は「ごちうさ6巻を読む(前半)」となっております…いや、なってしまいました。今回はいろいろな制約から、文字どおり「薄い」本を作りたかったのですが、6巻の「表紙」の読解から始めて順番に各話を読解していこうとした結果、まず「表紙」だけでかなりの分量を費やしてしまい、さらにその後も、想像以上に分量が増えてしまいました。このようなことから、本書で触れていないエピソードについては、またの機会に読み解いてまいりたいと思います。 (以上、まえがきより一部抜粋)