ロマン主義アニメ研究会

アニメに関する考察・・・というより、アニメ等を契機に私が思考した事柄、随想的なものを載せています。またここは評論・随想サークル「ロマン主義アニメ研究会」のHPでもあり、たまに告知等も載せます。

アニソンでいいやという気持ち:『ステラのまほう』「ヨナカジカル」を聴いて

アニソンでいいや

 
「ヨナカジカル」。サントラ収録で、サントラ未発売だから、配信で買ってしまいました。そうまでするくらい、この曲は気に入った。
もともとこういう電子音楽みたいなものは好きな傾向がありましたが。
 
ステラのまほう』のEDテーマです。配信では歌の方でしたが、インストゥルメンタル版がもしあるなら、それも欲しいです。
 
 
どうやらこれは、kawaii future bass というジャンルのようです。(配信サイトのレビューから、google検索によって知りました。私はそんな程度です。)
ただ、音楽、特に電子音楽のジャンル分けっていうのは、なんというか、次々と無数に生まれて、しかも、はっきり定義がよくわからず、しかもそのジャンル分けについて、人々はいっしょうけんめいに議論しがちである。
 
まあ、電子音楽っていう私の言い方が、すでにおかしいのかもしれないですけど。現在流通している音楽のうち、電子音を使っていない音楽のほうが少数派かもしれないですから。
 
だいたい音楽のジャンル分けっていうのは、単に客観的な音楽の特徴などからなされるような、生物学などの分類と違って、作り手の意志というか、作品に与えたいアイデンティティというか、そういったものも色濃く影響している。あいつらのような音楽とは一緒にされたくないから、我々はこっちのジャンルを名乗る、とか。一緒にされたくない、というような感覚っていうのが結構反映される。
それから、過去になかった音楽を作り出している、とアピールするがために、何か新たなジャンル名を名乗ったり、今ではあまり使われなくなったような古い音楽のジャンル名を突如改めて持ち出して、そことの系譜的連続性を主張したり、というようなことも行われるから、無際限にジャンル名が増えていき、また、ジャンル内容も無際限に多様化していきます。
 
というわけで、ジャンルというのは馬鹿げていると言いたいのではなくて、要するに、音楽の「楽しみ方」の一環であるということです。それは良いことです。だけれども逆に言えば、ジャンル分けというのは、「楽しむ」ためにはなっても、「理解」するためにはならない場合が多いということです。要するに、その筋の人、そのジャンルわけを楽しんでいるのではない人にとっては「理解できない」場合もあるでしょう。
 
 
◆アニソンでいいや
 
それで、昔の自分なら、「ヨナカジカル」から、kawaii future bass というジャンルを知った場合、わたしはこの曲が好きなんだから、この同ジャンルの他の曲たちも聴いてみなければならず、しかもそれらを好きにならなければならない、というような謎の発想・義務感で、おそらく同ジャンルの音楽の探求を始めていたことだろうな、と思う。
 
本当に私は、かつて、こういう発想で、かなり頑張って音楽の探求ということを行っていた、少なくとも行っていたつもりにはなっていた。CDにいくらお金をかけただろう。しかしながら、最近はそういったことをほとんどすることがなくなってしまった。
 
要するに、もうアニソンでいいや、という気持ちになったから。
J-POPがもともとそうだけれども、特にアニソンというのは、あらゆる音楽ジャンルの、いいところ、というか、キャッチーなところだけを切り出して、うまく並べてくれている。なるほど、音楽の深みとか良さは、キャッチーさにあるのではない、それはもっともだ。しかし、そういうことなら、私は音楽の深みを追求したいわけではなかったのだな、と気がついた。
 
ただ、アニソンは、自分が知りえなかったようなジャンルの音楽についても、その、聞きやすいところを取り出して紹介してくれるので、非常にありがたい。そして、私自身は、もう音楽に関してはそれで十分だと思うようになった、というだけのことです。
 
 
◆アニメサントラでいいや
 
 アニソンだけじゃなく、アニメのサントラというのも、そういうところがありますね。
 『ゆゆ式』サントラは、非常に素晴らしかった。これは、アニメを離れて聞いても価値があるんじゃないかなと思います。『まどマギ』並に、「生演奏で聴きたいアニメサントラ」です。唯ちゃんのテーマ「TekiPaki」が、最も有名なのではないでしょうかね。あれを聞くと、「あ、『ゆゆ式』だ」と思うような音楽です。けれども、他の曲も全て、本当に素晴らしい。
 たぶんあれらも、クラシックとか、何か様々なジャンルの音楽をうまく配合し、仕立て上げているのだろうな、と推察されますけれども、素人なのでどうなっているかよくわからない。
 
 アニソン、アニメサントラは、ジャンル横断的にいいところをピックアップして並べている。そこで、どこかで聞いたことがあるような曲の要素を取り入れたりしているから、聞き手の郷愁を誘ったり、というようなこともあるのかもしれません。