ロマン主義アニメ研究会

アニメに関する考察・・・というより、アニメ等を契機に私が思考した事柄、随想的なものを載せています。またここは評論・随想サークル「ロマン主義アニメ研究会」のHPでもあり、たまに告知等も載せます。

ごちうさキャラソンシリーズ(2016)感想

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■ココア盤

 

──「きらきら印を見つけたら」

 

 

「「街の国際〜」から離れて下さい」と突っ込まれた、ココアちゃんの「夢」に関する歌。

ココアちゃんという子の、ふわふわとした、そして前向きな感じが、すごくよく表されています。

 

未来のことを歌っていたと思ったら、中盤で突如、パンでも焼こう、と思いついたように言い始めるところがココアちゃんらしくて良い。でもそうやって切り替えながら、前向きに進んできたのがココアちゃんなのでしょう。そのあとの歌詞を追いかければ、パンを焼くということもまた、香りがふわふわと立ち上るように、未来につながっていくことがわかります。

 

そういえば、ジャケットのココアちゃんの様子も、まさにそんなことを思ってちょっと一人で考え事をしているように見えます。ココアちゃんも、ココアちゃんなりに色々考えながら振舞っているんですよね。(そしてそういうこともまた、チノちゃんたち周りのみんなは、振り回されながらも、実はよく知っている、ということも想像がつきます。)

 

 

 

■リゼ盤 

 

──「鏡合わせのアンビバレット」、「Dear Me」

 

 

2曲どちらも「鏡」という言葉が入っている。

鏡のこっち側と向こう側、リゼ/ロゼ、という力点の違いが対照になっており、かつ、両曲は結局は同じことを歌っている、という感じでしょうか。 

まさにリゼちゃんとはこういう子ですよね。 そういえば、ジャケットのリゼちゃんも、一人で座っている様子に見える。彼女がひとり自室で自問自答している姿が目に浮かびます。

 

 

思い起こされるのは、特典CDの「冷静とモフモフの国境線」。これは、ものすごくよかったです。この曲が、その他全てのリゼ曲のベースになっている気がします。

 

 

しかし、いつも思うんですが、リゼちゃんは、歌声が、すごくかっこいい。

種田さんはしばしば「宝塚風」と表現していますが、女の子でもあこがれるかっこいい女の子という感じでしょうか。まさに「リゼ先輩!」と言いたくなる。シャロちゃんの気持ちがよくわかります。歌っている先輩・・・、ほわわ〜〜、みたいな。

 

 

■マヤ盤

 

──「わくわくDIARY」

 

「ときめきポポロン」の、特にマヤちゃんの視点から見た歌、という感じがする。

 

 わくわく、冒険、知りたい世界の謎、冒険、好奇心、トキメキ、等。

 でも、「一緒だったら」、「みんなで」というのがいつもくっついていて、元気に突っ走るマヤちゃんも、一人でそれができるわけではない、というようなことが表現されている。

 

  

 

 ■シャロ盤

 

 

──「夢・もしもしもしも?」

 ノーポイッ!」の歌詞と通底するところはある。

 

 

「ダメです反省です いまをがんばって楽しんで」

「変わらない日常こそが/変化への第一歩ですね」

 

日常というものの価値を自覚的に捉えた上で、そこへ帰還していく。

 

チノちゃんだけでなく、日常系の登場人物たちというのは皆、日常からの疎外・障害と、その取り戻しということを、さまざまな規模、レベル、形態で行っていると言える。

シャロちゃんもシャロちゃんなりにそれを行っている。

 

 

 

──「@ぐ〜るぐるわーるど@」

 

確かに、シャロちゃん、いつも目がグルグルになっている!かわいい。

 

(><)

 

(@@)

 この二つになりがちなシャロちゃん。

 

 

  

──シャロ版「WELCAOME【う・さ!】」

 

最後のコーラスのところの、「はーいはーいはーい!」

のところは、シャロちゃんの声かわいい。

 

なんかここはすごく素直に歌っていて、まっすぐ声が伸びて、かわいい。

 

 

■それにしても

それにしても、一枚ずつCDを開けて、どんな曲だろう、と想像しながら聞いていく時間というのは、本当に幸せな時間だった。

 

 

あ、次はメグだ〜!とか。

 

こうして振り返ってみると、全キャラクターが好きなんだな、としみじみ思いましたね。

 

 

■メグ盤

ジャケット絵は元気いっぱいのポーズ。マヤの方が取りそうなポーズである。

 

 

 

──「おもちゃ箱ハピズム♪」

 

冒頭から、フリッパーズ・ギターを思い起こさせるような、渋谷系っぽい感じの曲調。

 

  

 

──(補論)アニソンにおける引用ということ

ここで、少し話は逸れますが。

案外アニソンで、いわゆる渋谷系からの引用は見受けられますが、そもそも渋谷系というもの自体が、「引用」に満ち満ちている、というか、それこそこのジャンル名が意味するところであると言ってもよく、「元ネタ探し」がその楽しみ方の一つとして行われるほどである。

そもそもJ-POPというものが、世界のさまざまな、特に欧米の曲のうち、日本人的にキャッチーに聞こえる部分を引用しているものであり、さらにアニソンというのは、その優れたJ-POPたちの中から、さらに引用し、キャッチーなところを凝縮している。

 

何が高尚な音楽だかは知らないけれども、結局私自身について言うなら、聞きたかったのはアニソンだったんだ、とある時、気がつきましたよ。

 

さまざまなジャンルの音楽を聴き漁りながら、あ、この音楽のこの部分は、自分に響くな、とか思うところを断片のようにかき集めたり、それを「プレイリスト」にしたりということを、ずーっと行ってきましたが、要するにこうした作業を通じて搔き集めたかったものは、すべて、より洗練された形で、アニソンにおいて、とっくに凝集されていたんだ、と気がつきました。

 

こういうかき集める感じの聞き方とか、そもそも私が掻き集めようとしている部分、とかっていうのは、おそらく、音楽鑑賞の高尚なあり方からすると、おそらく、ダメだということになるのかもしれませんが、別に私は音楽のプロを目指したり、音楽鑑賞のプロを目指したりしているわけでもなく、心地よさのために聴いているだけであるのだから、もう妙な「やせ我慢」はやめよう、というような気になってきた。

 「やせ我慢」さえ止めれば、アニソンはすごくいいものだ、と、心から言えますね。

「もう、アニソンでいいや」という感じ。

 

とにかく、ありとあらゆるタイプの音楽から巧妙に引用して、キャッチーに作り上げられているから、アニソンというのは、ものすごく、驚くほど多彩。

 

 

 

──というわけで、メグ曲「おもちゃ箱ハピズム♪」。

 

メグの曲は、ダンス、踊り出しそうという感じが、テーマになっていますね。

ウサギを撫でたり、「花が咲いたんだー」のあたりは、非常にメグっぽいですね。そうやって目に止まるものに興味が移っていく、という感じは、メグっぽい。

だけれども、それをも抑えてまで「先を急ぐよ」と言い、みんなのいる場所へ向かう。まずチノ・マヤ、さらにほかの人たちのところに行く途中の、道草のイメージである。ちょうど3曲目(WELCOME【う・さ!】)に向かっている途中とも捉えられます。

 

 

──「素敵なダンスタイム」

 ちょっとメグが大人っぽい空想をしている感じの曲。メグにもこういうところがあるのですね。そういえば、ココアさんとか、お姉さんに憧れる感じというのは、メグにずっとあります。

(というか、メグは、実は、チマメ隊の中で一番身長も高く、むしろ一番幼いようで、一番大人っぽい、のかもしれない。メグ母も登場していますが、将来はあんな感じに・・・とも思わせる。)

 

「くしゃみをして」とか、雲がふわふわしてパンみたいに美味しそうなどというような、いつものメグっぽい感じの歌詞で始まる。だから、そういう感じの曲かしら、と思いきや、次第に夢の中、あるいは空想の中に入っていく。そのあとの内容が、冒頭のいつものメグっぽい感じと対照的である。

 

 

最後の「楽しいね」は、「ぽっぴんジャンプ♪ ~メグVer.~」でのメグのアドリブ、セリフのものと共通ですね。メグはこの言葉をよく言うような気もする。

わざわざ「楽しいね」と口に出して言うのは、確かに、周りのみんなをよく見ているということでもある。その意味で言えば、この歌の歌詞の誘いかけるような感じというのも、実は普段のメグにもあるものなのかもしれない。「一緒に踊りましょ」「音色を聴かせて」等。

 

 

 

──メグ版「WELCOME 【う・さ!】」

 はーいはーいはーい、のところが、なんだかどのキャラも、かわいいなあ。

 

特徴が出るというか。

 

 

■チノ盤

 

──「お菓子な夢をおひとつどうぞ♪」

 

とにかく可愛い曲(だいたい全部可愛い曲ですが)。 夢を見ているのですね。

 

「新作のしあわせはこちら!」(タンタンタタンタン!の曲、『cup of chino』収録)の逆、という感じかもしれません。曲の雰囲気が似ているが、今度はチノちゃんが階段を駆け上がっている。

 

階の上で待っている側だったチノちゃんが、そして、わくわくがやってくるのを待っている側だったチノちゃんが、今度は、夢の中ではあるけれども、何かを掴みに、階段を駆け上がっていく。(なお、ラビットハウスの仕様的には、階の上にココアさんの部屋がある。)

 

それで、美味しいお菓子とか、流れ星とか、そういうわくわくを、今度は逆に、もたらす側に回ろうとしている。

PS VITAのゲームで、チノちゃんがもてなそうと頑張る、というストーリーを思い出します。

 

──「FUN! FUN!」

おしゃべり、日常の楽しさ。

と同時に、徐々に「未来」というものが見えてきているということが描かれている。

 

 原作でも、そのようなストーリーが展開されつつある。

  

  

──チノ版「WELCOME 【う・さ!】」

やっぱりチノちゃんバージョンはしっくりくる。

 このですます調も、やっぱりチノちゃんが念頭にあるのではないか。

ごちうさ楽曲、というか畑亜貴作詞は、ですます調が多い気もしますが。)

 

 

 

 ■千夜盤

 ──「ハートふるムーン」「甘美コラボレーション」

どっちも意外な曲調!

なるほど、こういうことか。佐藤聡美さんが公式HPインタビューで言っていたのは。

でも、逆に今まで和風のイメージにとらわれ過ぎていた、ということかもしれませんね。とはいえ、2曲目は和風の感じも入っている。カブキロックス的な。

 

  

千夜ちゃんのけっこう尖っているところというか、ぶっ飛んでいるところ、そういうところがよく出ている。

千夜ちゃんは、その尖っているところを、最終的に、柔らかいお餅で包んで、甘く仕立てている、という感じがする。それでちょっとごまかされそうになるが、いや、やっぱり尖っている、という感じ。 

その感じが、ようやくキャラソンにおいてよく出てきたのかもしれませんね。

  

 

──千夜版「WELCOME 【う・さ!】」

 チヤちゃんの「どうぞ」「そうです」は、いいですね〜。

 

同じセリフでも、こうもキャラクターによって違うとは。

 

 

 

■青山さん曲「きらめきを探しに」

 

これは、ストレートに青山さん、という感じである。

 

青山さんを紹介するとしたら、こういう感じになる、という。

 

他のキャラは、内面に踏み込み、意外性すらも発揮していたけれども、青山さんというのはあくまでも、常にどこか謎めいていなければならないから、そういうことにはならないのだろう。

 

強いて言えば、他のキャラと違い、英語、しかもカタカナではなく、半角で綴られている歌詞が挟み込まれている。

英語は、あの7人には、直接には通じない言葉である(彼女たちが英語の勉強をしている場面、また英語を間違えるという場面が、幾つかあったことが思い出される。なお、世界観的にはむしろ英語の方が通じそうだが[むしろフランス語か]、そういうつまらない話はここではしない)。

つまり、面と向かって直接言う言葉ではないが、つねに思っていること、というように捉えることができる。

ここにはある意味で「内面」があるとも言えるが、やはり直接には描かれない。

 

 

青山さんは小説家であり、あの物語、日常の、ちょうど境界線のようなところにいる人だと言えるかもしれない。彼女たちを(主にシャロちゃんを)「観察」している場面が多いが、「観察」とは、まさにそのような立場である。(視聴者も「見て」いるわけだが、しかし日常系作品において、視聴者は、しばしば、「観察」以上に中に引き込まれているような感覚で見ていることの方が多いだろう。)

 

 

──青山さん版「WELCOME 【う・さ!】」

青山さんが歌うと、また違う感じに。

「Daydream café 〜Christmas ver.〜」もよかったですね。

 

 

■モカさん曲「おいしいパンの作り方」

 

モカさん的には、「Sister or Sister?」のココアとのデュエットはあったものの、単体での曲は初めてではないかと思います。

これは非常に聴きがいがありますね。このシリーズでは、青山&モカの「8」巻は最も貴重かもしれません。結構、何回も聴きたくなってしまう曲です。

 

  

それで、ココアの、同様のパンを作る曲と比較すると面白い。モカさんの方が、いっそうちゃんとしたものが作られていきそうな感じがある。

 

スクーターの話も出てくる。アニメ化されていない部分ではないだろうか。

確かに、スクーターのようなスピード感もある曲調で、アニメ化部分ではあまり感じなかったモカさんの姿です。

 

 

 

──モカさん版「WELCOME 【う・さ!】」

基本的にはお姉さんというキャラクターであるが、ここでは、個人としてのモカさんを感じるものになっている。

おかわりをいれてくることについて「すぐです」のキリッとした言い方は、実家のパン屋でテキパキと働いている様子が目に浮かぶ。

 

  

 

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■全巻ボックス

 

なかなか洒落ている。

 彼女たちの思い出が詰まった「お便り」が届いた、という感じに仕上がっている。ココア〜モカの文通のイメージから、我々ファンへの手紙というような。

 

漫画はもちろん続いているが、アニメはやっておらず、だがその間も日常は続いているよ、というように近況を知らせてくれているみたいである。

 

 

 

■特典CD

 

──全員Ver.「WELCOME 【う・さ!】」

 

 

やっぱり、全員バージョンだと、情景が浮かびますね。 「全員集合」というようなテーマの曲なので。

「質問」しながら、コーヒーのお代わりをいれて、もっとお話を続けようというような。